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心が荒廃する理由

今日の言葉

菜根譚より引用

前段45)精神を集中する
学間をする者は、気を散らすことなく、専ら心を集中して、一つに帰せしめるようにしなければならない。学問の目的は道徳を修めることにあるから、もしも道徳を修めようとして学問をしながら、心を世俗的な功名に留めるようでは、とうてい成果をあげることはできない。また、読書は、それによって道理を悟り徳を養うことにあるから、それを忘れて詩文を吟味したり風流ごとに興味を寄せるようでは、必ずや、読書して理を悟り徳を修めるという深い心のない浅薄なものとなってしまう。 学問だけでなく何事も、気を散らさず心を専一にすることが肝要であるとしている。

【引用元 講談社 菜根譚 著 久須本文雄】

心が荒廃する理由

学問の目的は道徳を修めることにあるという。

なぜ道徳を修めるために学ぶ必要があるのか。

それは、道徳を修めないと人間の心が荒廃し、その結果、社会全体も崩壊へと向かうから。

しかし近年、「良い大学に入る」「一流企業に就職する」「幸せな人生を送る」といった個人的な目標が学びの中心となっている。

このような狭き門に入ることを学びの目標とすることは、競争を生み「勝ち組」「負け組」という社会の分断を引き起こしている。

このような学びの目的には、道徳を修め、己の心の成長や社会貢献という重要な視点が欠けている。

誤った目標のために知識だけを追求すれば、心は荒廃し、社会の秩序も乱れていく。

最近では、「闇バイト」による強盗事件など、かつての日本では考えられなかった出来事が日常的に起きている。

おそらく、学問の本来の目的、道徳を修めるということ見失ったことが、このような事態を招いているのではないだろうか。

もちろん、様々な知識を学ぶことも大切です。しかし、それよりも大切な学びは人間としてどう生きていくかということではないでしょうか。

菜根譚前段「精神を集中する」を読んで、そう感じました。

オススメの本

※ブログで紹介した久須本文雄著の『菜根譚』は絶版のため、岩波文庫の菜根譚のリンクとなります。


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