基幹システム刷新の第一歩「現システムの取引データの把握」
基幹システムの品質・コスト・納期を確保する第一歩として、
「現システムの取引データの把握」
の取組み例を報告してみます。
現基幹システムのインプットデータ・アウトプットデータに集中します。
業務とシステムの接点
システムと同様に解釈の余地がない、曖昧さを排除
現在の取引データを具体的に検討、抜け漏れ対策
データドリブン思考のはじまり
実績の網羅性に対応する現システムの会計実績データから着手
特長
システム・統計などの専門知識不要(業務の参画)
できれば先に、現システムを取戻(ベンダーロックインから脱却)
基幹システム刷新の抜け漏れ対策(現ビジネスの継続)
基幹システム刷新の品質・コスト・納期を確保
データドリブン経営風土
作業
例えば、直近年度末月の会計実績データを収集
会計実績データに使用するマスタデータを収集
収集した会計実績データの分析(場合分け、パターン化)
詳細作業
1と2共通 データを確認
列構成、文字コード、抽出日、件数
ゼロ・ブランク・スペースを整備(ブランクは固定値が望ましい)
1. 会計実績データを確認
勘定残高と試算表突合せ
主キー:伝票番号、明細番号、元帳、会社、会計年度など
未転記などの混入
金額ゼロ、通貨、本体額・税額
組織・個人の関係(独立:次元、従属:階層)
転記日(伝票 or 明細)
登録日時・ユーザ・参照元(システム・Excelなど)
2. マスタデータを確認
主キー:コード、組織・システム、有効期間など
削除、無効、未承認などのステータス
会計実績データに使用された件数
コードと名称ほか項目の違い
会計実績データにあり、マスタデータになかったマスタデータ
3. 会計実績データの分析
複数の主要項目の組合せと件数を分析しました。
(関数(countif)・「データ>重複の削除」のExcel機能を利用)
マスタ項目(コード)
金額・数量をプラス・マイナス・ゼロでグループ化
分析する気になれる(数千程度の)組合せになるように
グループ化の項目・粒度を追加しました。
実務の方のご説明をデータで裏付け理解していきます。
残ったデータの組合せの確認を終えると、
網羅性の第一歩となる、
対象候補の会計実績データの組合せが完成します。
組合せ数を減らすグループ化の例です。
部門・取引先・品目のマスタコードをグループ化
転記日の期首・期末・期中をグループ化
摘要をパターンでグループ化
取引種類・勘定科目をグループ化
その後の作業
単月の会計実績データの収集・分析の後、
①根拠となった実績データの収集・分析
②過去○年の会計実績データの収集・分析
③会計実績データのマスタデータの分析
を並行・順不同で推進しました。
基幹システム刷新の要件定義で
A: 追加対象の組合せのデータを作成・評価・合意
B: 対象外の組合せを合意
C: 継承する組合せを評価・合意(ココを省力化)
というような流れです。
おわりに
最後まで目を通していただきありがとうございます。
システム、プログラミング、統計のスキルを前提としていません。
Excelが苦手でない業務の方の参画が望ましいです。
データのご用意があれば、3回まで無償でリモート伴走します。
ご意見・ご質問・伴走依頼など、お問い合わせお待ちしておりきます。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?