「ビジョンと理念」を考えてみる part.1
こんにちは、いつも「スキ」や「フォロー」有難うございます。
最近投稿をさぼっていましたが、なかなかアウトプットするのが難しいテーマだったので、考えがまとまるまで投稿できませんでした。色々考えて自分なりに整理していざ書き出そうと思いますが、やはり頭の中だけで考えていると考えたことにならないので、noteにアウトプットします。
ちなみにテーマはタイトルにあるとおり、企業、事業所における「ビジョンと理念」の考え方です。こういった企業の文化、言い過ぎれば宗教じみた考え方は前職場ではいっさい受け入れられなかったし、日ごろ意識すらしていませんでした。
ビジョンと理念を考えるようになったきっかけ
僕は訪問リハビリの事業所を立ち上げて2年ちょっとですが、一切こういった思想や考え方を統一する必要性を感じていませんでした。これには、スタッフ3名から初めて現在は6名。増えた3人は、引き抜き(知り合い)登用をしてきたことも理由に挙げられます。
しかし、最近になって「ビジョンと理念」がないことの弊害が生まれつつあります。大きく3つです。
1つ目は、新たなチャレンジや方針を打ち出すときに、「ビジョンと理念」が理解できていないと、一回一回目的から説明し、理解が得られるまで時間がかかること。
2つ目は、各個人に判断がゆだねられる場面に出くわしたとき、「ビジョンと理念」を元に行動できないと、良くも悪くも個人の思想でちぐはぐに行動する可能性が高いこと
3つ目は、新人及び、社員教育に統一性がでず、なんのために働いているのか?が分からなくなってしまうこと です。
以上のことから、ようやくビジョンと理念の構築に動き出したわけです(遅すぎや)
では、さっそくビジョンと理念の考え方について記していきます。たぶん長くなります。
ビジョンと理念は、マネジメントにおける「将来の姿と現在の使命」である
「マネジメント」といえば、P.Fドラッカー氏です。この言葉を生み出したのも彼です。色んなマネジメントとタイトルについている本に必ず彼の名前が上がるほどの有名な方です。
「未来の社会における多国籍企業(大企業)の最大の課題は、その社会的な正当性を示すことだ、そのためにV,ビジョン、M,ミッション(理念)、V,バリュー(価値、姿勢)が必要だ。」
と述べています。世界最強企業であるグローバルファンド。皆さんも知っている、無印良品、ユニクロなども非常にきっちりとした、けれども、奥深いV,M,Vを提唱していますのでぜひご覧になってみてください。
さて、理念=ミッション。日本では社是と表現されるものでもあるらしいです。意味としては、組織の存在理由、任務や使命を具体的に明示したもののことです。一方ビジョンは、組織が目指す将来の理想の姿を表現し、「こうなっていたい」を考えます。この2つは非常に方向性が似ているので混同しがちですが、簡潔にいうとビジョンは「未来」、理念は「現在」と考えるのが良いらしいです。
これを僕の事業所に当てはめて考えてみます。
いたしん(訪問リハビリ事業) のビジョンと理念を考える
とある地方で、現在スタッフ6名で130名程度のお客様に訪問リハビリサービスを提供しています。簡単にいうと、国の介護保険(お金)を使って、お客様の自宅でリハビリ(理学療法、作業療法)を提供するサービスを生業としています。
仕事の依頼は、ケアマネージャー(介護保険のやりくりをマネジメントする人)か家族から来ます。脳梗塞後遺症から骨折後の廃用、急に歩けなくなった、デイサービスに行きたくなくて・・といった理由が多いです。そういった方々にリハビリ(理学・作業療法)を提供して、心身共に元の生活に近づけるようにアプローチします。
ただ世間的には、「リハビリ」という言葉は知っていても、理学療法・作業療法、特に作業療法なんかは、ほとんど認知されていないのが現状です。そもそも、訪問リハビリといったサービスがあること自体知られていません。
実はこれには明確な理由があります。現在地方で活躍している理学・作業療法士はほとんどが病院勤務です。デイサービス等で働いている方もいるんですが、その方々は「機能訓練士」という役柄で働いています。なので、一度病気になって、病院のお世話にならないかぎり、どういった仕事をしているのか外からはまったく見えないのです。
これらから地方で訪問リハビリを続ける上での課題を整理します。大きく4つ。
1つめは、「訪問リハビリ」を正しく知ってもらい、利用してもらうこと。
せっかく国のお金を利用して、専門的な医療サービスがあるのに知らないのはもったいなさすぎると思いませんか?一人のリハ技師が関わることで、医師との連携から家族の思いや悩み、生活のアドバイスまで一気にこなせます。
ただ、悲しいかな「訪問リハビリ」を何でも屋みたいな依頼の仕方は非常によろしくないです。依頼の理由が「歩けなくなったからリハビリ」「尿失禁を減らすためにに筋トレ指導」では、こちらもそれが現実的に達成できるか難しい場合もあります。なので、「訪問リハビリ」を正しく理解して利用していただきたいのです。
2つめは、「理学療法・作業療法」を知ってもらうこと
やはりね、「作業療法は聞いたことがない」なんて言われるとがっくし来るもんですねw しょうがないかーといつも一瞬で切り替えるんですが、こればっかしは作業療法士・理学療法士側に問題があります。理学療法士・作業療法士の資格持ちは、協会に入ることを勧められます。僕自身も所属していて、委員会を3つ掛け持ちしております。その内容はほとんどが協会員のための勉強会や交流会の主催。学会運営などです。認知度を上げるにはどうしたらいいか、なんて話題は毎年のように出ていますが予算はほぼ前述したものに振り分けられるため、広報誌どまりなのが我が県の協会の動きですね。
もうはっきりいってアテにしちゃだめです。もはや病院ではなく、地域で働いている療法士が頑張るしかないと思ってます。
3つめは、「訪問リハビリ」がなくなったらどうするの?です
前述したとおり、うちは6名のスタッフが実働部隊です。私が働いている地方は、同じサービス展開している事業が6つほどありますが、どれも「病院付属」もしくは「整形外科付属」です。つまり主翼のサービス展開をしていないということです。「訪問リハビリ」だけの事業所はうちをいれて2つですね。なのでありがたいことに依頼は結構来るんですが、一日に余裕もってまわれるのは5件です。無理して7~8件程度。なのでどうしてもマンパワー不足に陥りやすいんですね。だいたい週1回~週2回契約で、スケジュールは埋まっていくので急に「来週から新規お願いできますか?」と言われてもなかなか厳しいんです。(それでも断らないように対応してます)
ただね、やっぱりうちが断ったらその「急に歩けなくなった」人はどうするんですかね?デイサービスに通って歩行獲得を目指しますか?(ほぼ無理)、担当ケアマネージャーが生活のアドバイスをしますか?(専門的知識はなく、説得力がない)、いつかよくなるだろうと経過観察しますか?(一番やばいやつ)。という風にいいことがなにもないんですよね。
介護保険の性質上、1回だけ見てほしいといった要望をかなえるには、医師の判断、こちらのスケジュール調整(労力のわりに利益はほぼ皆無)、ケマネージャーの資料作り、及び会議の開催(必須)なので、足の速いサービス展開って無理なんですよね。
断ったらどうなるか?これは介護保険の仕組みが変わらない限り一生付きまとう課題だと思ってます。
4つめは、リハビリ(理学療法・作業療法)の安売りをしないこと
これは、言い方に語弊があるので、「安売り」という言葉の定義をしっかりしておきましょう。ここでいう安売りは「質の悪いリハビリの提供」とします。
実は耳が痛いんですが、当事業所が「質の高い」リハビリを提供できているかは、いささか自信がありません。あくまでも自分なりに頑張ってサービス提供をしていますが、お客様からみたらどうなんでしょうか?
ユニクロの現社長、柳田正氏は、「基準を高く持ち、妥協とあきらめをしないで追及する、なぜならお客様は厳しいから」と述べています。例え話で、今の世の中100円ショップで、100円ならこの程度 の考え方で商品を売ったら確実につぶれる。100円でこの品質?!と思わせるような売り方をしないと生き残れないらしいです。
私達が「訪問リハビリ」を始めたときは、地域で生活しているひとはほとんどの方が、そのサービスを知りませんでした。ただ現在は確実に増えてきていると感じられます。
最近のお客様は、自分が介護される側にならないか不安に暮らしています。そのため、取り入れる情報の質も高まっている、むしろ今後も高まっていくことが予測されます。
そういった時に、最高水準の訪問リハビリを提供している必要があり、現時点で安売りをしてしまうと、リハビリの市場価値が上がらないことをかなりの懸念しています。
Part.1は以上です。
ビジョン・理念を考える part.2に続きます。
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