41 問われる顧客基盤と与信の精度
Insight Tech アイタスクラウド営業担当です。
英 グリーンシル・キャピタルが破綻したというニュースがここ最近大きく報じられていますね。ソフトバンクビジョンファンドが出資していたということもあり、日本でも注目を集めております。
グリーンシル問題、ソフトバンクGなどの債権届け出総額は14億ドル
2021年3月19日 ロイター
金融グリーンシルが破産申請 鉄鋼リバティなど連鎖倒産の危機
2021/03/10 ヨーロッパ経済ニュース
英グリーンシル破綻、ファンド離反で SBGも出資
2021年3月9日 日本経済新聞
で、何故破綻したの?というところをかなりざっくりお知らせすると、
①行っていた事業
グリーンシル・キャピタルはサプライチェーン・ファイナンス(SCF)という、いわゆる支払い代行サービス(手数料上乗せで利益を得るサービス)を行い、それを債券化して投資家に販売するという事業を行っていた。
②きっかけ
債券を保有していた出資元のクレディ・スイス(スイスの金融大手)が、グリーンシル顧客との取引の保険を手掛ける保険会社と保険契約(46憶ドル)を結ぼうとしたところ、保険会社が拒否したため、「え・・・リスク高すぎじゃない?」となり、グリーンシル・キャピタルに融資額1億4000万ドルの返済を求めた。
同時に、同社が運営するグリーンシル・キャピタル債券に投資するSCFファンドも閉鎖した(グリーンシルの資金調達経路が絶たれた)。
③結果
グリーンシル・キャピタルは上記の金額を返済することができず破綻。
④背景
グリーンシル・キャピタルの顧客基盤が、リバティ・スチールなどを傘下に持つGFGアライアンスにかなり依存しているものであった。
与信が50億ドル近くあり、返済を拒んでいたという話もあった(真偽不明)
その他グリーンシル・キャピタルの提案する投資が高リスクなものが多いことも一因として挙げられている。
構図だけ見ると、以前のスルガショックに近いものを感じますね。
スマートデイズ(かぼちゃの馬車)が個人投資家向けにシェアハウスへの投資(家賃保証付)を進めたものの、空室が埋まらず次第に家賃保証ができなくなり、物件オーナーもローンを返済できず、スルガ銀行側の債券が焦げ付いた事例ですが、高リスクな債券を販売しているとやはり同じような事態になるのかなと思いました。
今回の件で与信の重要性が改めて問われるのではないでしょうか。
昨今はAIで審査を行う動きもありますので、これがより加速しそうです。