The Game Awards 2021 受賞予想(予想篇)
1. はじめに
その年のNo.1ビデオゲームである「Game of the Year(GOTY)」を決めるイベントは世界中様々な団体・メディアによって行われていますが、ここ数年は、The Game Awardsが、映画におけるアカデミー賞のような権威ある賞になってきています。
そして、先日(11月17日)、12月に開催されるThe Game Awards 2021の各部門のノミネート作品が発表されました!
この記事では、ノミネート作品の中から、今年のGame of the Yearと、各部門の受賞作を予想します。そして、受賞作が発表された後には、何部門的中したか答え合わせをする予定です。
この記事をお読みの方は、ぜひご自分でも予想を考えてみて、この記事の予想と照らし合わせてみると、よりいっそう楽しめると思います。
2.Game of the Year予想と全体の総評
2021年のGame of the yearのノミネート作品は以下の6作品です。
DEATHLOOP
It Takes Two
Metroid Dread(メトロイドドレッド)
Psychonauts 2
Ratchet & Clank: Rift Apart (ラチェット&クランク: パラレル・トラブル)
Resident Evil Village(バイオハザード ヴィレッジ)
僕の予想ですが…DEATHLOOPが受賞すると思います!
例年の傾向を見ると「成人男性を主要ターゲットにしたシングルプレイ大作」が選ばれやすいため、まず、DEATHLOOP・メトロイド・バイオの3本に絞りました。
そして、メトロイドは主流ジャンルである3Dアクションではない、バイオは傑作ではあるけれど前作7の衝撃には及ばないかもしれない…という理由で消去法的にDEATHLOOPにしました。
DEATHLOOPは、欧米人になじみ深いFPSであること、最近流行のローグライトであること、(コンソール版は)次世代機(PS5)専用タイトルであることから、「2021年の顔」にしやすいと考えました。
全体の総評ですが、例年に比べて小粒な印象が強い年だったと思います。
本来であれば、昨年末にリリースされ集計期間としては今年に含まれる「サイバーパンク2077」が大本命になるはずでしたが、初動でのつまづきを思うように挽回できなかったためか、Game of the yearではなく、Best musicとBest RPGという2部門へのノミネートに留まりました。
一方、インディーゲームはクオリティの高い作品が数多くリリースされており花盛りだったと思います。
Best IndieやGames for Impactにノミネートされている作品たちはいずれも甲乙つけがたいですし、KENAやThe Artful Escapeはインディー作品ながらBest Art Directionにノミネートされており、大手スタジオ作品に引けを取らない美術クオリティを実現しています。
来年2022年は、本来今年リリース予定で発売延期された作品がいろいろと発売される予定ですし、Game of the yearノミネート作品も、また、違った様相を呈するのではないかと考えます。
以下、各部門の予想結果を示します。ぜひご自身の予想と照らし合わせてお楽しみください。
(※なお、僕はESportsの動向に全くなじみがないため、全30部門中、ESportsに関連する6部門は予想対象から除外しています。ご了承ください)
3. 各部門の予想
<予想>DEATHLOOP
<一言コメント>僕の予想通りDEATHLOOPがGOTYを獲るとしたら、評価されるのはゲームメカニクスに関する部分だと思うので。
<予想>It Takes Two
<一言コメント>本作の「離婚寸前の夫婦が協力して道を切り開く」というストーリーテリングが、実際に協力プレイで進んでゆくというゲームプレイと一致しており、ゲームならではストーリーテリングとして評価されそうなので。
<予想> KENA: Bridge of Spirits
<一言コメント>KENAを制作したEmberLabはもともと映像スタジオであり、その経歴が評価に影響を与えそうなので。
<予想> Marvel's Gradians of the Galaxy
<一言コメント>MCUの映画版でも今回のゲーム版でも80年代サウンドトラックが重要な要素として扱われており、さらに本作では音楽は戦闘などゲームプレイにも影響を及ぼす要素なので。
<予想>Resident Evil Village (バイオハザード ヴィレッジ)
<一言コメント>Forza Horizon 5にするかバイオにするかで迷った。GOTYノミネート作品が主要部門で賞を取っていないとバランスが悪いため、バイオにした。
<予想> Maggie Robertson (ドミトレスク夫人、バイオハザード8)
<一言コメント>みんな大好きドミトレスク夫人。このノミネーションであれば、バイオに支持が集まりやすいと思った。
<予想> Boyfriend Dungeon
<一言コメント>「剣と人間の恋愛ゲーム」というインパクトは、やはり大きいかな。
<予想>Apex Legends
<一言コメント>オンラインゲームはあまりプレイしないため、Twitchの配信ランキングを当てはめた。あまり自信なし。
<予想>Inscryption
<一言コメント>発売日がノミネート作品発表日に近かったため、投票者(世界中のゲームメディア関係者および一般ユーザー)の記憶に新しいと思った。
<予想>Pokemon Unite
<一言コメント>個人的にはFANTASIANに獲ってほしい!…が、MOBAという人気ジャンル×「ポケモン」という強力なIPという組み合わせは、やはり強いかなあ。
<予想>ファイルファンタジー XIV オンライン
<一言コメント>FF14は遊んだことがないので門外漢だが、11/23に新規拡張パックが発売されることが「継続的なコミュニティサポート」として評価されそうな気がする。
<予想>The Vale: Shadow of the Crown
<一言コメント>The Valeは盲目の騎士が主人公で、ゲーム自体も音声のみで進行する。昨年は、盲目の人へのアクセシビリティ機能を充実させたThe Last of Us Part IIが受賞したため、今年もその路線で来ると予想。
<予想>Resident Evil 4 (バイオハザード4)
<一言コメント>正直小粒な印象は否めない。最近の話題作であるVR版バイオ4と予想。
<予想>RETURNAL
<一言コメント>RETURNALはどれかの賞は受賞すると思う。Best Game DirectionがDEATHLOOPなら、Best Action GameはRETURNAL。
<予想>Metroid Dread(メトロイドドレッド)
<一言コメント>メトロイドは、発売前の期待値をはるかに超えて、高く評価されている。その勢いがこの部門に結実すると思う。
<予想>サイバーパンク2077
<一言コメント>5作品中4作品がJRPGであり、日本勢が強い部門。ただそれでも、腐っても2020年最大の話題作であったサイバーパンク2077が獲ると思う。
<予想>Virtua Fighter 5: Ultimate Showdown (バーチャファイター esports)
<一言コメント>この部門も5作品中4作品が日本産であり、日本勢強し。最も多くのプレイヤーを集めるバーチャが順当に獲ると思う。
<予想> New Pokemon Snap(New ポケモンスナップ)
<一言コメント>ノミネート5作品中4作品が日本産(しかも任天堂の作品)。毎年この部門は任天堂が強い。最も革新的なのはIt Takes Twoだが、あれはファミリーゲームという感じはしない。マリオパーティと迷うが、多くの人に最も敷居低く受け入れられそうなポケモンスナップを選んだ。
<予想>Microsoft Flight Simulator
<一言コメント>実はMSFSは、昨年2020年のBest Simを受賞している。2年連続受賞というのがあり得るのか不明だが、今年はXbox版が発売され、けた違いに多くのプレイヤーを集めたので、さらに高く評価されると予想した。
<予想>Forza Horizon 5
<一言コメント>これは堅いと思う。Xboxの超話題作への評価は、この部門の受賞という形で反映されると思う。
<予想>Back 4 Blood
<一言コメント>あのLeft 4 Deadを開発したチームが手掛けた本作は、評価が分かれつつも、多くのプレイヤーを獲得している。日本で選ぶと間違いなくモンハンだと思うが、世界的にはBack 4 Bloodかなあと思う。
<予想>Valheim
<一言コメント>本作は2月にリリースされ少し時間がたっているが、ますます多くのプレイヤーを獲得しており、Steamでも「圧倒的に好評」を獲得している。本作はいまなお早期アクセス中であり、今後の成長が期待されている。
<予想>Elden Ring
<一言コメント>ノミネート作品はどれも、いずれ劣らぬ話題作ばかりだが、先日15分のゲームプレイ映像が公開されたElden Ringが、頭一つ抜けるかなあと思う。
4. おわりに
この記事では、2021年のThe Game Awardsに向けて、ノミネート作品の中からGame of the Year(GOTY)をはじめとする各部門賞を予想しました。
それにしても、ノミネート作品の中に日本の作品が当然のように入っているのは、「国産ゲーム冬の時代」と言われた2000ゼロ年代後半を知っている身からすると、嬉しい限りです。
ファミリーゲームやRPG、格闘ゲームなど、伝統的に日本勢が強い部門は当然として、GOTYに日本の作品が2作品もノミネートされているのは、素晴らしい成果です。(※正確には、「メトロイドドレッド」を開発したのはスペインのスタジオですが、プロデューサー・ディレクターは日本人であり、任天堂側のクリエイティビティが十分に発揮されていると考えます)
ただ、僕の予想、「Psychonauts 2(サイコノーツ2)」をいずれの部門賞にも入れていないので、そこが問題点だと思います。
入るとしたらBest DirectionかBest Narrativeだと思うのですが、他とのバランスが崩れてしまうので、自分の考えを優先させることにしました。
今回のように各部門の受賞作を予想するのは、僕にとってとても楽しい作業です。
そのことを通じて、知らなかったゲームのことを知ったり(時には実際にプレイしてみたり)できますし、「ゲームの評価とはどういうものか」ということに考えを巡らせるきっかけにもなります。
僕の予想がどの程度的中するかは分かりませんが、12月9日の受賞式当日を楽しみに待ちたいと思います。
(了)
2021.11.20 Itaru Otomaru
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