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僕がゲームの「謎解き」が苦手な理由、ブレワイやティアキンなら大丈夫だった理由(前回記事に関する追記あり)
まず最初に…。
前回の記事は、多くの方にお読みいただき、多くの反響をいただき、本当にありがとうございました!!!ビュー数・スキ数ともに、自己ベストを大幅に更新しました。
せっかくなので、記事への反響を一通り拝見して僕が感じたこと、書き足したいことを、本記事の末尾におまけとして追記しました。(有料区間設定していますが、リポストで無料になります。)
もしよろしければ、そちらもお読みください。
次の段落から本記事の本題です。
はじめに
僕は昔からビデオゲームにおける「謎解き要素」が結構苦手です。
先日、傑作インディーとして名高いアクションパズルゲーム『Braid, Anniversary Edition』をクリアしました!
#Braid クリアー!!
— Itaru Otomaru, Ph.D (@itaruotton) June 1, 2024
パズルはかなり難しくて、謎解きが苦手な僕は苦労した…
でも、1-1(最終ステージ)の、システムと物語が完全一致した語り口のスマートさは素晴らしくて、痺れました!
本作のテーマって、昨年アカデミー賞を攫った「あの映画」の話ですよね…?すごくタイムリーだと思った。#Steam pic.twitter.com/MdgWe6YYHl
…したのですが、自力で解けたのは全体の半分ちょっとくらいで、残りは攻略サイトに頼らざるを得ませんでした。(解答を見ても「これは自力だと100年考えても答えを思いつかなかっただろうな…」と思うものばかりでした)
一方で、『ゼルダの伝説』の近作である『ブレス オブ ザ ワイルド(ブレワイ)』と『ティアーズ オブ ザ キングダム(ティアキン)』は、そんな僕でもそれほど苦手意識を持たずに取り組むことができました。
完全に自力で、というわけにはいきませんでしたが、両作とも、全ての祠をクリアするところまで楽しんでプレイすることができました。
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ただし、『ゼルダの伝説』シリーズの過去作品だと、その謎解きにはやはり苦手意識があります。『スカイウォードソード』では、なんと、最初のダンジョンの最初の謎解きで詰まってしまったこともありました。
『ブレワイ』や『ティアキン』における謎解きと、それ以外の作品たちにおける謎解きの間には、本質的な違いがあるように感じています。それが、僕が苦手意識を感じるかどうかと関係している気がします。
本記事ではこの点を掘り下げます。そうすることで、僕がなぜ謎解き要素に苦手意識を感じるのかを言語化したいと思います。
僕がゲームの「謎解き」が苦手な理由
謎解きが苦手な理由、それは単に僕が柔軟な発想ができない頭の硬い人間だから、それだけといえばそうなのですが、もう少し踏み込んでみます。
おそらく「正解が1つしかない」、そして「問題の『枠組み』が明確に定まっていない場合がある」という2つのことが原因なのだと思います。
例えば『トゥームレイダー』シリーズにおける迷宮内の仕掛けを発動させる謎解きの場合、仕掛けを発動させるための正解手順は(当然ながら)1つだけです。
普段のアクションシーンであれば、ララの驚異的な身体能力で飛び越えられそうなところであっても、きちんと仕掛けを解いて、足場を作ってやらないと進めません。
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あるいは、『バイオハザード』シリーズで、「そんな扉、錠前を銃で壊したらいいやん!」と突っ込みたくなっても、鍵を求めて警察署を探し回らないといけません。
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このように、ゲームデザイナーが正解をただ一つに絞りたいばかりに、謎を解く場面になると急に主人公のできることが制限されてしまうことに、窮屈さを感じることがあるのです。
他にも、「問題の『枠組み』のあやふやさ」も、僕が苦手とするところでした。
デジタルゲームなのだから、可能な全ての組み合わせを試せばいつかは解けるはずです。しかし、しばしば「どの範囲で」というのが分からなくなります。
この部屋にあるものだけで解けるのか、別の部屋からなにかオブジェクトを持ってくる必要があるのか、あるいは主人公のスキルが何か足りなくて、今の段階ではどうやっても解けないのか…?
このように、問題が定義されている「範囲」が定まっていない(ように感じられる)と、僕は不安になってしまい、安心して謎に取り組めないのです。
それでも僕はビデオゲーム歴35年以上の歴戦の(?)ゲーマーですから、ある程度の謎はもちろん自力で解けますし、「これはキャラスキル依存かもしれないから今は放っておこう」とスルーすることもできます。
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ただ、『Braid』のような高難易度ゲームに手を出してしまったり、通常のゲームであってもなかなか答えが分からない謎に突き当たってしまうと、本章で書いたようなことが頭をもたげてきて、「謎解きは苦手だ」と感じてしまうのです。
ブレワイやティアキンなら大丈夫だった理由
一方で、『ゼルダの伝説』シリーズの近作である『ブレワイ』や『ティアキン』では、上のような問題点を感じることなく、祠をはじめとする謎解きに楽しく取り組むことができました。
こちらも苦手な理由と同じように掘り下げてみると、「物理法則に一貫性があって」、「何通りもの解法が許容されている」ことがあると思いました。
例えば、『ティアキン』に登場するには、「曲がりくねった坂道の先にあるスイッチを押す(ただし、直接押すことはできない位置にある)」という謎解きが出てきます。
大中小の球をうまくくっつけて転がすのが正答ですが、なんと、爆弾を付けた矢を射て、爆圧でスイッチを押すことでも突破できてしまいます。つまり、どんな手段でも、スイッチに圧力が加わりさえすればOKなのです。
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これは、フィールドや戦闘シーンにおける物理法則と祠内の物理法則が同じで、一貫しているからこそ可能なことです。『ブレワイ』より前のビデオゲームでは考えられない、画期的なことだったと思います。
また、「とにかく丸太をくっつけて長く繋げてしまえばかなりのところに行けてしまう」という、良い意味でのアバウトさにも、僕自身助けられました。
ある祠では、全く解法が分からなかったのですが、とにかく板をつなげて長い足場を作って、強引に突破してしまったこともありました。
もちろん、『ブレワイ』における神獣や『ティアキン』における神殿など、従来のゼルダシリーズに近い、一つずつきちんと謎解きをしないといけない大型ダンジョンも存在します。なので、全てをこのようなアドリブで解けるわけではありません。
それでも、それまでのゼルダシリーズや、謎解きを売りにしたビデオゲームたちとは違い、「自分は謎解きが苦手なんだ…」という劣等感をそれほど感じることなく、最後まで楽しむことができたのです。
それは、『ブレワイ』や『ティアキン』が、謎解きを大きな要素に据えてはいても、多様なプレイヤーや多様な解き方を許容する、「懐の深さ」を持っていたからだと感じます。
おわりに
今回は、僕自身の「ゲームの謎解き要素が苦手」という苦手意識を掘り下げて書いてみました。そして、なぜ『ブレワイ』や『ティアキン』ではその苦手意識を感じずに済んだのかも。
こうやって書いてみると、改めて『ブレワイ』と『ティアキン』はゲーム史に残る革新的な作品だったと感じます。それまでの『ゼルダの伝説』が、作り込まれたパズルを解かせる、僕にとっては苦手なタイプの作品だったので、なおさらその方向転換は鮮やかです。
ビデオゲームは楽しむために遊ぶものなので、苦手なものに無理に取り組んだり、解けないからといって根を詰めたりするのはよくありません。今後も、苦手な要素とは適度な距離感を保ちつつ(攻略サイトにも頼りつつ)、ゲームライフを楽しんでいこうと思います。
(了)
2024.6.7 Itaru Otomaru
おまけ:前回記事の反響に関する追記
さて、おまけです。
前回の記事に対して、たくさんのコメントをXの引用リポストやはてブ上に寄せていただきました。僕は、賛否問わずほぼ全てのコメントを読んだのですが、少なくない割合の方が、僕のルーティンにおける「平日は20:30にゲーム開始」というところに引っかかっていることに気づきました。
なので、もう少しだけ、僕のゲームプレイのルーティンについて追記しようと思います。(以降、有料区間設定しますが、記事をリポストいただくと無料でお読みいただけます)
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