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「テレワーク(オンライン)ゲイバーで、収益をあげる方法」を考えてみた

新型コロナウィルス感染拡大の速度が速くなっていくばかりの毎日。SNSを見ていても「これからどうなっちゃうんだろう?」という不安が大きくなるばかりで、心がざわめいて落ち着かない日が続いています。

いろいろな職業、業界にコロナの影響が出てくるのは必至ですが、僕が大好きなゲイバー業界はその打撃をモロに食らっていることはまちがいないと考えています。夜間外出は自粛を、とか、BARやライブハウスがクラスター発生源だ、とか言われてしまうと、夜の街に出るお客さんは減って当然ですよね。自粛要請でも大打撃なのに、ついに緊急事態宣言が発出されました。東京都の緊急事態措置として休止を要請※する施設に「バー」が挙げられていますから、ゴールデンウィーク明けまでゲイバーの営業はしづらくなる可能性も少なくありません。
※東京都は政府と調整をはかり、4月10日に緊急事態措置の詳細を発表予定

店の営業ができない。しかし、店舗の家賃も住んでいる家の家賃もかかってくる上に、生活費だって必要。ゲイバーのマスターにそんな厳しい現実が待ち受けていることは事実です。新型コロナ感染がいつ終息するのかは分からないので、このような状態が長期に渡って続いたらゲイバー文化が壊滅状態になってしまうかもしれません。でも、絶対にそうはなってほしくない、ゲイバーの火を絶やさないで欲しい、という思いから、「テレワーク(オンライン)ゲイバーで、収益をあげる方法」がないだろうかと考えてみました。

テレワーク(オンライン)ゲイバーの意義
テレワーク(オンライン)ゲイバーの実践方法
1)何を使ってやるのか
 「ZOOM」
 「ツイキャス」 
   ツイキャスの双方向コミュニケーション
   ゲイバーには必須の匿名性の高さ
2)収益をあげる方法
 「課金」の方法
   ツイキャスで課金する方法
   キャッシュレスの投げ銭を活用
最後に

テレワーク(オンライン)ゲイバーの意義

Hulu(フールー)では、BBCニュースの日本語同時通訳版が見られます。ロックダウンになった欧州のレポートで「最大の敵は孤独だ」という言葉が出てきました。これがすごく気になりました。

ゲイバーは昔から、マスターやスタッフを中心としたゲイのコミュニティとしての側面を持っています。一人暮らしのゲイが寂しさを忘れられる場所だったり、学校や会社でカミングアウトしていないゲイが自分を隠さずにいられる場所だったり、と。単にお酒を飲む場所でも男探しをする場所でもない、ゲイバーはゲイにとっての特別な空間なのです。

緊急事態措置としてテレワークがより推奨される今、出社もできず恋人や友人とも会いづらい日々の中で、一人暮らしのゲイが孤独に襲われていくのは間違いありません。孤独から来る不安に負けて鬱になったり、自暴自棄になる人だっているでしょう。だからこそ、緊急事態措置や自粛モードが続く期間は、インターネットを介して誰かと繋がっていることを実感できるコミュニティの存在が、今まで以上に重要になっていきます。

以上のことから「テレワーク(オンライン)ゲイバー」は、ゲイバーで働く人とお客さん双方のためになる存在だ、と考えたわけです。

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テレワーク(オンライン)ゲイバーの実践方法

1)何を使ってやるのか

できるだけ簡単な方法でなければ、より多くのゲイバーのマスターが実行することは難しいと思います。ネットリテラシーが高いマスターやお客さんが集まっているゲイバーもあれば、新しいものには抵抗感を覚えてなかなか使いこなせないマスターやお客さんもいるのですから。

手軽に使える、という面から2つの方法を考えてみました。

「ZOOM」

パソコンやスマートフォンを使って、セミナーやミーティングをオンラインで開催するために開発されたテレビ会議アプリです。

マスターがZOOM上に会議室を作り、そこにお客さんが参加していくことで、お互いの顔を見ながら会話できます。顔出しをしたくないお客さんはカメラをオフにして他の人たちの会話を聞いていることもできます。参加者同士でこっそりチャットできるというシステムも装備されているので、「テレワーク(オンライン)ゲイバー」でありながら、出会いのチャンスもあるかも、という利点もあります。

世界的にロックダウンや自粛モードが進んでテレワーク人口が増加したことで、会議やミーティングのためにZOOM利用者も激増しました。ところが4月2日になって、セキュリティ面での脆弱性が報道で指摘されたために、大手企業や公的機関ではZOOM使用禁止というところも増えています。プライバシーを重要視するゲイの場合「ZOOMは使いたくない」と考える人も多いかもしれません。また、会議の主催者(マスター)のネットリテラシーが高くないと使いこなすのがちょっと難しい面もあります。そういう点も含めて興味のある方は下記リンクから使い方を確認してみてください。

ZOOMならではの機能として、自分の背景に様々な静止画像や動画を使えるという仕組みがあります。背景の画像・動画に凝り始めると「テレワーク(オンライン)ゲイバー」に参加することが、さらに楽しくなりそうです。

「ツイキャス」 

インターネットやスマホをそこまで使いこなせていない、という人は非常に多いと思います。新しいアプリやシステムを使うことに、ちょっと逡巡してしまう気持ちも、よく理解できます。「テレワーク(オンライン)ゲイバー」を始めるマスターも、「テレワーク(オンライン)ゲイバー」に遊びに行くお客さんも、使用するための心理的ハードルが低いという観点では「少しでも馴染みがある」ものの方がいいでしょう。

そこでお勧めしたいのが「ツイキャス」です。Twitterをやっているマスターもお客さんも、タイムライン上で「モイ!◯◯からキャス配信中 -」というツイートを見かけたことがあると思います。ツイキャスはいわば簡単に利用できるインターネット放送です。パソコンやスマホの内蔵カメラを使って動画を流せますし、ラジオ番組のように声だけを流すことも可能です。Twitterとの連動性が高く、利用している人も多いので、マスターやお客さんの中にも誰かのツイキャスを視聴した経験がある人もいるでしょう。

ツイキャスの使いやすいところは、双方向のコミュニケーションがしやすく、かつ匿名性が高いところです。

ツイキャスの双方向コミュニケーション

①コメント 文字を使ったコミュニケーション

視聴者(お客さん)は、放送する側(マスター)が動画やラジオで話していることに大して、自分の考えや質問、またはツッコミのコメントを書き込むことができます。書き込まれたコメントは、ラジオにおけるリスナーからのメールのようなもの。マスターはそのコメントを読み上げて返答したり、いじったり、その書き込みをきっかけに話を膨らませたり、ということもできます。

②コラボ 声や動画によるコミュニケーション

放送する側(マスター)がコラボ設定をすれば、視聴者(お客さん)がゲストとして参加できます。コラボ可能人数は、開始当初は映像の場合は「一人のみ(ペアコラボ)」、音声の場合は「一人のみ(ラジオ・コラボ2)」「七人まで(ラジオ・コラボ8)」から選べます。ツイキャスを利用する時間(長さ)によって放送する側(マスター)のレベルが上がり、レベル8に達すると動画も「七人まで(コラボ8)」の設定が可能になります。

③コイン 最も簡単な応援方法

ツイキャス放送の放送枠は30分です(30分で自動終了するので、繰り返し放送することは可能)。しかし、視聴者(お客さん)が「コイン(コンティニューコイン)」を送ることで延長が可能になります。視聴者が送ってくれたコインが一定枚数(必要な枚数は表示されます)を超えると、放送する側(マスター)は溜まったコインを使って放送時間を延長できます。視聴者(お客さん)は手持ちのコインがなくなったら買い足すことも可能です。コンティニーコインは簡単に放送を応援する気持ちを表すことができる方法です。

ゲイバーには必須の匿名性の高さ

①プライベート設定が可能

ツイキャスは誰でも見られる(聴ける)システムですが、鍵をかけて合言葉が必要になる「プライベート配信」設定にすることで、お客さんをある程度絞ることが可能です。合言葉をツイートするのもありですが、より絞り込みたいならば、希望する方にのみDMやLINEなどで伝える方法をお勧めします。

②アカウントの匿名性

ツイキャスを見る(聴く)お客さんは、基本はTwitterと同じアカウントを利用することになりますが、それでは都合が悪い場合はツイキャス独自のアカウントを取得して利用することもできます。Twitterと連動していないアカウントならば、コメントを書き込む時でも、より匿名性を保持することができます。

③聴くだけならば完全匿名

ツイキャスはインターネットを使った「放送」です。放送する側がテレビやラジオを誰が視聴しているのか分からないのと同じように、ツイキャスを放送する側(マスター)に分かるのは、「リアルタイムで視聴している人数」「放送開始からの総視聴者数」だけです。コメントを入れたり、コラボしたりという双方向コミュニケーションまで求めないクローゼットなゲイにとっては、マスターとお客さんの楽しい会話を視聴しているだけで「孤独」を紛らすことができそうです。

双方向のコミュニケーションと、匿名性という観点からツイキャスの使いやすさはお分かりいただけたでしょうか? 興味をもたれた方は、初心者用に使い方を解説してくれている下記リンクをご参照ください。

ちなみにコラボ配信の設定に関しては、公式のヘルプセンターに詳細が記載されています。

2)収益をあげる方法

次に「テレワーク(オンライン)ゲイバー」をやるに当たって、最も重要な「課金」の可能性について考えます。

「課金」の方法

「テレワーク(オンライン)ゲイバー」の最大の目的は、リアル店舗で営業できない状態のゲイバーのマスターが、家にいながら収益を挙げられることです。

まずはツイキャス独自の課金方法をご紹介します。

ツイキャスで課金する方法

ツイキャスには「プレミア配信」という有料配信システムがあります。バーの常連のお客さんたちを集めて「テレワーク(オンライン)ゲイバー」を成立させるという目的なら、この方法も検討する価値がありそうです。

また、ツイキャスには「お茶爆50・100・500」という収益をあげるアイテムもありますが、これを利用するためには、放送する側(マスター)には「本人確認書類のアップロードと審査」が必要なので、収益を挙げる環境づくりに少々時間を要します。また視聴者(お客さん)も設定や使用条件がちょっと複雑という問題もあります。とはいえ、使用できる環境が放送する側(マスター)と視聴者(お客さん)の双方に整った場合は、ツイキャス上で簡単に送ることができるので、検討する価値は十分にあります。

続いて、現在広く使われているキャッシュレスを活用する方法をご紹介します。

キャッシュレスの投げ銭を活用

昨秋の消費税10%をきっかけに様々なキャッシュレス・サービスが注目され、実際に使っている人も増えています。キャッシュレス・サービスの中には「個人間送金」システムが備わっているものがあります。この「個人間送金」システムを使って「投げ銭」という形で課金する方法が、最も容易であり、かつすぐに始められると考えました。

キャッシュレスごとの個人間送金システム比較はこちらを参照してください。

上記の記事で、キャッシュレスサービスごとのメリット・デメリットを比較すると、使い勝手の面からは「PayPay・LINE Pay・Pring」の3つが良さそうですが、利用している人数も考えると「PayPay・LINE Pay」の二択まで絞り込めそうです。

PayPay、LINE Pay共に「個人間」の送金なので、店舗で導入するときのような契約は必要ありません。アプリをダウンロードしてチャージをすればすぐに使えます。個人から送金された金額は、PayPay、LINE Payとしてショッピングの支払いに利用することができます。しかし送金された金額を現金として出金したい場合は、受け取る側も送金する側も、PayPay、LINE Payのアカウントに銀行口座を登録して本人確認が済んでいることが必要です。下記リンクに詳細が記されていますので、この仕組みは把握しておいてください。

緊急事態宣言が出される前、都知事の自粛要請を受けて休業を決めた新宿二丁目のバー「PROP」さんが、ZOOMとPayPayの投げ銭を利用した「テレワーク(オンライン)ゲイバー」をすでに実践されています。

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※PROPのマスター文太さんに許可をいただいて画像を使用しています。

このツイートをされた時点では東京都知事の自粛要請にしたがって休業を始められたので、新宿二丁目では営業している店もかなりある状況でした。そこで「ゲイバーを飲み歩いて経済回すよ!」という目的でスタートされました。連日の配信を見ていると、機材が整っていき、ZOOMを使ってゲストを呼んだりと、日に日に内容がパワーアップしていて面白いです。

この「日に日にパワーアップ」というところが重要です。

ここまで読んで、「やっぱり始めるのは難しそうだな」と思った方もいらっしゃるでしょう。でもそれは、スマホを使う前に取扱説明書を読むと必要以上に難しく思えるのと同じことです。使い始めてみると意外に簡単なことに気づくはずですし、使っていくうちにできることが増えていくのもスマホ初心者と同じです。ZOOMにしても、ツイキャスにしても双方向コミュニケーションなのですから、分からないことがあったら詳しいお客さんがその場で教えてくれる、なんてこともありそうです。

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最後に

何もすることがないまま家でゴロゴロしているのは、経済的にも精神的にも確実によろしくないものです。緊急事態措置の自宅生活で大切なのは、毎日のルーティーンを決めて生活時間のリズムを崩さないことだと言われています。「テレワーク(オンライン)ゲイバー」の営業時間を決めることで、自宅生活のルーティーンも定まっていきます。そして、インターネットを介して誰かとコミュニケーションできる場を持つことは、お客さんのみならずマスターの「孤独」を解消することでもあるのです。

「テレワーク(オンライン)ゲイバー」を通じて、今までリアル店舗には来たことがなかった人と繋がることもあるでしょう。店を再開できる時に来店してくれる新規顧客の開拓、という可能性だってあるかもしれません。

キャッシュレスの「投げ銭」課金システムによる「テレワーク(オンライン)ゲイバー」の収益がどこまで挙げられるのか未知数ではあります。しかし、本業ができない状況ならば「今できることは何でもやる」という逞しい精神で生き抜いていかなければなりません。

肉体も精神も、そして経済的にもダメージを最小限に抑えて、この未曾有の緊急事態措置を乗り切っていきましょう。マスターも、お客さんも自宅でコミュニケーションを楽しみながらゲイバー文化の火を絶やさないように支えていけけたらと、僕自身も強く願っています。


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Tomita Itaru
冨田格です。もし記事を気に入っていただけましたら是非ともサポート頂けますようよろしくお願い申し上げます。サポートいただきました分は取材や資料購入に充て、さらに皆様のお役に立てる記事作りに励んでまいります。おこがましいお願いですが何卒宜しくお願い申し上げます。