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カシャッサに酔い、妄想カリブ海の旅で更ける東京の夜
Vol.064
イタリアに滞在すると地続きでありながらも、フランスのワインを手に入れることが困難なことがある。
例えば、日本では盛大に楽しまれているフランスの新酒ボジョレーヌーヴォーを愛でるというのは、イタリアでは相当困難なことである。
フランスから日本の距離と、フランスからイタリアの距離を考えれば、圧倒的にイタリアでの方が入手しやすいかと思いきや、全く手に入らないのが実情だ。
なので、日本は本当になんでも揃う。
まして東京の凄さを感じるのは、世界のなんでもがあるということ。
ラム酒にハマって東京で嗜む
旅が多い私の生活だが、基本的にはトリノと東京を往復するだけなので、行き先は結構限られている。
なので時には遠くへ旅したいと思う。
元々旅行が好きな性格でもあるので、やはり旅にはせる思いは大きい。
でも現実的にはトリノと東京だ。
ラム酒は言わずと知れたカリブ海の島々で造られるお酒だ。
このラム酒を飲みにマルティニークやハイチなどに行ってみたいものだが、なかなかスケジュールと環境が許さない。
そしてイタリアでラム酒が楽しめるかといえば、イタリアはカリブ海での植民地を持たない国なので、ラム酒が好まれる場所はない。
一方、フランスはカリブ海に植民地を持つため、フランス由来にもなるだろうラム酒がある。それが私の好きなアグリコールラムである。
なのでパリに行けば、リュムリエという気軽なラムバーも多い。
イタリアのトリノでも唯一ラム酒を得意とするお店があるのだが、なんというかナイトバー的でありながらいかがわしさもあるので、アジア系のおばさんが一人で行くというのはハードルが高い。
とにかくイタリアではラム酒を堪能できる店がないのだ!
そんな中、東京には結構なラム酒を得意とするお店がある。
なので仕事で行き詰まったり疲れている時は、ラム酒のあるバーへ行くことが最近増えてきた。
やはり好きなお酒に癒されるのがとても楽しく、そして今行きたい方向のカリブ海なので、夢をまた思い描きながら飲むラム酒は最高に美味しいのだ。
さらにいかがわしくないのもポイントだ。
ブラジルの蒸留酒カシャッサを嗜む
でも今回はあえてカシャッサというブラジルのお酒を知りたい気持ちに駆られた。
なので東京自宅から徒歩で行ける、気になっていた池尻のJulepさんへ赴いた。
カシャッサとはだが、実はこれもラム酒と同じサトウキビが原料で作られる。
このラム酒とカシャッサの定義の違いを話してみると、結構ご当地感が強いというのもあり、面白かった。
つまり、同じブドウから醸造するワインであっても、イタリアワインとフランスワインが違うように、呼び方にそのご当地性があるという。
なので、サトウキビの風味を楽しめるお酒なので、ラム酒好きな私としてはカシャッサもウエルカムなのである。
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美味しくて感動。好きなタイプ。
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違いも楽しめると、一気に幅が広がるカシャッサの世界。
もちろん全く別物だという人もいるが、原材料的に考えるのであれば、カシャッサとラム酒は基本的には同義である。熟成面ではかなり異なるところは、その風土で発展した革新であろうか。
アンティークの世界地図を眺めながら想いを馳せる東京の夜
カシャッサをいただきながら、ラム酒の話をマスターとする。
初めて訪れたのに、旧知のように話が盛り上がる。
居心地の良さは店主の人柄であることは言うまでもない。
そしてカウンター越しの壁に貼られた、アンティークの世界地図。
標準が日本ではなく、欧州ベースのもの。
この世界地図だけで、十分にお酒が楽しめる。
特にラム酒は、中南米ではありながらも欧州に深く関連するので、自分の経験から知ることと、まだ見ぬ世界を重ね合わせて楽しむのが私の流儀である。
ラム酒のことはわからなくても、イタリアに暮らして根本的に叩き込まれた欧州人気質とその関係的な歴史と文化と。その生活スタイルが実はラム酒に大きく影響していることとか。
今回はブラジルのカシャッサの魅力を教えてもらいながら、私のラム酒ビギナーの好みを話したりと、とても楽しい時間が過ごせた。
このかけがえのない時間は、私にとっての最大のリラックスとなった。
アテはブラジル料理のフェジョアーダをいただきながら、カシャッサを飲み、ご当地の話を聴きながら東京滞在の夜は更けていく。
妄想での中南米の旅とはなったが、いつかその地に立つ自分を想像した。