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今年は魔法使いになりたい

ゲームの操作キャラで「魔法使い」を選んでみた。
とあるRPGで、主人公が2人いて、プレイヤーは勇者か魔法使いかを選べる。

私も物語の主人公になりたいから、ずっと勇者を選んでた。
モンスターをバッサバッサ切って、ライバルと手に汗握る戦いに魅力を感じていて、今回もそのつもりだった。

コマンドがピコっと魔法使いを指して、うっかり決定ボタンを押してしまった。

ラスボスを倒すまで私は、魔法使いになった。
魔法使いの主な役割は味方の回復である。

「うわっ地味!」

チーム戦なので大事なのはわかるけど、戦闘は基本的に後方で戦いを見ているだけでつまらない。

でも、ストーリーが進んで仲間が3人になった頃、突然楽しくなった。
勇者と仲間のステータスを見ながら、適切な魔法を使うのが面白い。

体力が減ってきたら回復魔法、毒にかかったら毒消し魔法など。

味方のステータス全部見て、臨機応変に使い分けていく。
しかも自分がやられると魔法が使える人がいないので、攻撃が当たらないよう敵の位置も見ないといけない。

そうそう、魔法を使うにはMPも消費するからゲージの心配もする。

魔法使い、めっちゃ楽しい。
地味なんて言ってごめん。

勇者なら敵のことだけ考えていれば良かった。
でも、魔法使いは敵・味方・スキルと3つも考えるんだ。

しかも、レベルを上げて強い武器を持たせたら攻撃力も上がった。

ストーリー序盤は後ろで見ているだけだけど、だんだん戦える魔法使いが出来上がった。

悪くないじゃん、魔法使い。

ゲームを買った当初は、勇者になって物語の主人公になるぞ!なんて思ってた。

今じゃ、バトルフィールド全体と仲間のステータスと自分のステータス全部見ないといけない魔法使いの方が、真の勇者みたい。

勇者と同じ冒険ができて、パーティーにいないと困る。
現実世界でも「魔法使い」みたいな人間を目指したいと思った。



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