『気配』のぞみぞウォッチャー

四月というには春らしくなく
五月というには梅雨らしくない
快晴の光と共に朝起きれば
陰鬱な雨と共に床に入る

寒くなく
涼しくもない
かと言って、夏と呼ぶには物足りない

冷房に目をやりながらも
まだ早いかと扇風機の首を動かす
片付けようかと思いつつ
今晩も青い毛布と共に夢を見る

寒くなく
涼しくもない
かと言って、夏と呼ぶには物足りない

蛍光灯の光に誘われて
網戸に張り付きこちらを見やる
名も知らぬ虫に少し尋ねてみる
「お前たちにとっては、もう夏かい?」

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