『無題』山口祐也

心の手首に剃刀の歯を当てるように
簡単に誰かを傷つけて
痛みに無関心な僕らを
美しいと
血まみれの正常が言う
脳みその僕ら、精神の僕ら
十分すぎるほどに傷つけあった
それでも傷つけ合おうとする僕らのために
酩酊の空が割れる
割れ目から零れ落ちた虹が
夜明けの街を染めていく
虹色に染まれなかった僕ら
虹色の街を彷徨う
疎外感など無い
誰も虹色ではない事を知っているから

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