『うろ』 板前ウルフ

明日への一歩を踏み出せず
今日1日が終わっていく
宵闇につつまれた僕は被食者となり
獣に食われる恐怖と戦っている

絶望と希望は同じ色をしている
その色を持ってして僕は染め上げられていく
擦れども擦れども、色は濃く深くなっていき
解けた繊維質がまるで花びらのように
はらり はらり
と舞い落ちる

雨が降り始めた
「うろ」の中、身を震わせながら明日を待ち続ける
すがる太陽なんて昇らないはずなのに

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