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【雑学】イタリアの公衆トイレに便座がないワケは?

仕事柄、ドライブインのトイレを利用します。その時によく日本からのお客様に指摘されるのが、

トイレに便座がない

全ての場所というわけではありませんが、イタリアの公衆トイレには便座がついていない便器が結構あります

朝早く撮影したドライブインのトイレ。まだ掃除されたばかりだったけど、時間経過するごとに徐々に撮影不可能な状態になってゆきます…

そもそも公衆トイレが少ないお国柄。外出中のお手洗い利用はバールというのがほぼほぼ常識です。バールに入りカウンターでエスプレッソを注文してそこのお手洗いを使わせていただくのが一般的。

高速道路のドライブインには公衆トイレがありますが、便座つきのほうが少ないくらいです

なぜだろう…? ということでイタリアの友人達数人に聞いてみたのですが

「掃除が面倒だからだろ?」
「すぐ壊れるから、あらかじめ取り払っておくのかもね」

と、わりとみんな知らない(というか、どうでもよいみたい)のです。

唯一納得したのは医者やってる不良オヤジのお言葉↓
「便座の下に雑菌がたまりやすいから、便座ないほうが雑菌がたまりにくいってことじゃないかな~」

なるほど… それは理由のひとつになりそうですね

さらにネットで調べてみると、イタリアのサニタリー系専門WEBサイトにその理由が挙げられていました。それによると、

便座に使用される素材は木材かプラスチックで、これらは多孔質(拡大すると小さな空間が沢山あるらしい)な物質。多孔質の素材は悪臭を吸収するのには優れているが、空間が少ない物質であるセラミックに比べて除菌や防菌には劣る。物質内にある空間が多いほど、そこに菌が入りやすいので木材またはプラスチック製の物体はセラミックより清掃後の殺菌率も低い  とのこと。

つまりセラミックが使用されている便器のほうが衛生的ということらしいのです(不良ドクターの説がわりと近かったかも)

バールやドライブインの公衆トイレは不特定多数の人が利用するので、法律で決められた衛生基準がもちろんあります。検査員(イタリアではこの役目をカラビニエーリ(憲兵隊)が請け負うことが多い)がやってきて衛生基準に達していないと判断されると罰金や営業中止など経営・運営側はえらいことになります。と、いうことで不特定多数の人が利用するドライブインやバールのトイレは、便座なしにしていたほうがその衛生基準を守りやすいのだそうです。

前述のDQN系不良ドクターのお言葉:  いやあ~、日本の公衆トイレは世界一だよ。でもなあ、あそこまで清潔にされたのに慣れてしまうと細菌に対する免疫力が落ちてきそうだし… 心地いいけどやっぱ落ち着かなかったなあ… とのこと。

つまり便座なしの状況に慣れているイタリア人にとって、公衆トイレに便座がないのはたいした問題点にならないわけです。だから今後もず~っと、改善されることはないと思われます←個人的見解

そういえばかなり昔に日本の企業さん主催のインセンティヴツアーやった時「トイレ便座部隊」がいて、バスが付く少し前にドライブインに到着し各便器に便座をつけて、お客様の利用した後にまた回収して次のトイレ休憩場所に向かう ということがあったなあ…

私は運よくその『部隊』に任命されなかったけど、隊員となってしまった同僚はバタバタと便座をつけたりはがしたりするアジア人達に対する冷ややかな目線に恥ずかしくて耐えられなかった と言っていた(笑)

と、いうことでイタリアをご旅行される方、便座を持ち歩くのは滑稽すぎますが、トイレの便座クリーナーはお忘れなく。必需品ですよ~!

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