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乃木坂46の楽曲を一日一曲語る。35日目『他の星から』

_______【この記事の構成】_______
▼今日のこばなし

本題の伏線になる時とならない時がある雑談

▼『○○』の基本データ
作編曲、歌唱メンバー、MV等の情報

▼『○○』を語る
愛と飛躍に溢れた考察

▼おわりに
総括とキメ台詞


▼今日のこばなし

「トゥルーマン・ショー」

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「当たり前を疑え」とはどういうことかを最も手っ取り早く知りたいなら、『トゥルーマン・ショー』を観ればいい。

その映画を観た次の日から、昨日まで当たり前だったものが全てニセモノに見えるだろう。
そのかわり、デカルトの方法的懐疑がなんとなく理解できる(気がする)。

おすすめ。


▼『他の星から』の基本データ

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▼収録 / 発売日
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6thシングル『ガールズルール』Type-C / 2013年7月3日

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▼作詞 / 作曲 / 編曲
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秋元康 / Sugaya Bros. 、松村PONY / Sugaya Bros.

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▼歌唱メンバー
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伊藤万理華、井上小百合、斉藤優里、桜井玲香、中田花奈、西野七瀬、若月佑美

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▼センター
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西野七瀬

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▼MV(ミュージックビデオ)
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監督:岡川太郎

▼『他の星から』を語る

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・2つの疑問

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飯田橋(東京都の地名)の駅を降りた「私」は、昨日までの地球と何かが違うことに気づく。
①その異変とは、単なる「私」の妄想か?それとも宇宙人と為政者による陰謀なのか?
②そしてそれは、「私」にとってどんな意味を持つのか?

『他の星から』には固有名詞が多く登場するが、この曲を読み解く上でカギとなる①②の問題は、抽象的・哲学的なテーマを含んでいる。
順に見ていこう。


・①妄想か、それとも...

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「私」が感じた異変を詳しく見ていこう。

飯田橋の
駅を降りて気づいた
いつもと同じだけど
私にはわかるんだ
昨日までの
地球とは違うこと
街の作りも(人々も)
ジオラマみたい

通り過ぎる(通り過ぎる)
サラリーマンも
女子高生も老人も(なぜ?)
誰もが同じ
与えられた仮面で
表情がない

- 出典:『他の星から』/ 作詞:秋元康 作曲:Sugaya Bros. 、松村PONY

街中のありとあらゆるものが得体の知れぬ何者かによって作られたハリボテに見え、人間すら仮面を被った操り人形に感じられる。
その感覚が、突然「私」を襲ったのだ。

さて、これは単なる「私」の妄想か?
それとも一部の権力者(あるいは人ならざる何か)だけが知っている、驚くべき真実なのだろうか?

その答えは簡単だ。
すなわち、「わからない」である。

「世界の全ては宇宙人や為政者によって作られた虚構である」という突拍子もない仮説は全くもって受け入れ難いが、
我々が見ている世界には、その仮説を持って疑う余地がある。

簡単に言うと、目に見える世界が真実である根拠はどこにも無いのである。

実は、筆者も似たような感覚に陥ることがある。
突然自分が巨大なジオラマの中にいる感覚になって

「誰がこんなジオラマ作ったんだ?」
「いや、そもそもこれは何者かが作った幻影なのかもしれない。いま自分が見ている世界は、本当に存在しているのだろうか?」

と、眼前に広がる世界を疑わずにはいられなくなる。

さてさて、世界を疑い始めた「私」は一体どんな行動に出たのだろうか。↓


・②宇宙人≦あんみつ

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世界の虚構性と、それを作り出す存在に気づいた「私」が思ったことは、以下の2つである。

ああ それより
三味線のお稽古に
遅れそうなの(まずいわ)
人間関係

- 出典:『他の星から』/ 作詞:秋元康 作曲:Sugaya Bros. 、松村PONY
誰かがきっと
心配してくれるでしょ
法律がどう変わってもいい
紀の善であんみつ食べられれば
それ以上の贅沢は望まない

- 出典:『他の星から』/ 作詞:秋元康 作曲:Sugaya Bros. 、松村PONY

おいおい、そりゃないぜセニョリータ!と思うかも知れないが、コレは以外に納得できる。

世界のつくりがどうなっていようが、「私」には関係の無いことなのだ。
そんなことより、三味線のお稽古に遅れたら先生に怒られるし、紀の善のあんみつは甘くて美味しいのである。


・アイロニー

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この曲が我々に伝えたいことは、次の歌詞にすべて表されている。↓

当たり前は(当たり前は)
怖いものだ
いつもと同じが好きだ(はい)
変化は嫌い
都合のいいロープで
縛られよう

- 出典:『他の星から』/ 作詞:秋元康 作曲:Sugaya Bros. 、松村PONY

当たり前の範疇を出たくない我々にとって、世界の何たるかは知らなくて良いこと、むしろ知ってしまうと面倒なことなのだ。

そしてこの曲は、「当たり前を疑え!」と警鐘を鳴らすことは一貫してせず、
「当たり前は怖いけど、変化は嫌だよねぇ」という「私」の視点で語ることによって、「私」という名の我々を皮肉っているのである。


▼おわりに

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だが実際には、「世界の何たるか」は巡り巡って我々に関係あるところまで影響を及ぼす。
だから我々は、たしかに面倒だが、それでも政治に関心を持ち、投票に行かなくてはならないのだ。

では、また明日 stay tuned!



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