【観る脱ぐ踊る】ストリップショー初鑑賞記
あなたは自分の体が好きですか?
誰に裸を見せられますか?
あるいは
あなたがあなたの裸を見るために
いくらお金を出せますか?
「ストリップを観に行きませんか。」
魅力的な誘いはいつも唐突です。
バイト先の社長に誘われた私は、大学の同期(女性)と共に浅草ロック座へ向かいました。
「服を着て外に出る」
それが当たり前の世界に、踊りながら服を脱ぐという職業があるそうな。
明らかに怪しい。
いかがわしい。
でも興味ある。
慣れた社長にホイホイついて行くと、華やかな花束が並ぶロビーに到着。
当該日2023/08/31は8月公演の千穐楽であり、私たちが鑑賞したのはその最終公演。
最後の最後だったため、開演30分前にも関わらずロビーに多くの人がごった返します。
🍒ここで浅草ロック座/ストリップ劇場の
基礎知識について軽く紹介しておきましょう🍒
舞台の「幕」にあたるのは「景」
「景」は基本的に2部形式
1部では1人または複数人でパフォーマンスは踊りのみ
2部で「景」担当者はソロになり衣装を脱ぎ踊って退場
劇場は一度入場すると一日中鑑賞できる(外出券を貰えば1時間の外出可能/1日最大4公演/寄席のようなシステム)
リボンを投げるプロのお客さんがいる(とても美しい)
ビン以外なら飲み物ok!泥酔はしないでね
撮影は御法度ですので携帯はロビーで触りましょう。
演者さんに触れてはいけません!
おひねりを舞台に投げる劇場もあるかとは思いますが、ロック座では禁止です。奥のBARカウンターに預けましょう。これは川崎ロック座ですが、まぁほぼこんな感じです。ご参考に。
入場
まず驚くは女性客の多さ。
てっきり5〜60の男性がほとんどなのかと思ってましたが、20〜80の男性75%、20〜50までの女性25%ぐらいに見えます。
仲の良いお客さん同士のコミュニティもあって、想像を絶する健全さです。
(会場も明るい!)
会場に入ると椅子がステージに対して斜めに配置されているのが印象的で、意図してスイートスポットを作っていないと感じました。
それでもほぼ満席。
せっかくの機会なのに出遅れてしまって残念……と思いましたが、仕方ないので立ち見しました。
しかし結果的に、立ち見と座り見どちらにも良いところがあると感じました。(後述)
開演
(興奮をそのままお伝えします)
【第1景 開始】
第1部
(ロックな音楽が流れる)
お客さんの手拍子めっちゃ揃ってる!
教育されたヲタクだ!
演者さんも煽るの上手いな!!!綺麗だし!
照明かっこいいー!!!!
ギラギラじゃん!眩しっ!!!
ダンス上手だな!
1〜1.5曲分(約5〜8分)ほどで終了
第2部
え?!?!?!なに?!?!?!
かっこいい踊りが終わったら女の人1人になってどんどん!!!
うわ!!!あぁ!!!
見えちゃってるよ!!!おっぱい!
いいのか!!!そういえばそういうもんだった!!!
めっちゃ目線くれる!!!
そうか!立ち見だと見上げないから目線が合うんだ!でも座ってる人はもっと間近で観られていいなー!
おいおいおい止まんねぇな
全部脱いじゃうのおいおいおい
うわー!!!お盆回ってる!
ポージングすごい綺麗!!!
なんかポージング決まった時に拍手するみたいだ!分かってきたぞ!!!👏👏👏
プロのお客さんのリボンかわいー!!!
タイミングバッチリ!
あーもう帰っちゃうのね!
ありがとうございましたー!
【第1景 終了】
どうですか。伝わってますか。
これが、それぞれのテーマに合わせて曲/演者/衣装を変えながら7景まで続きました。(約1時間40分)
ロックをテーマとした公演だったので、花魁でもギターロックが流れてたりしてとても楽しい。
こんなん、死んじゃうぜ?
個人の感想ですが、4回ぐらい泣きそうになりました。
7景まで中継すると泣いてしまうので
良かったポイントを列挙します
照明上手すぎる
肌とか表情全部キレイに見えるダンスのクオリティはそれぞれあるけど、戦場が人それぞれある
仕草でエロさはそれほど感じさせず美しい表情づくり/構成に重きを置いている
転換早すぎる幕降りてから15秒後ぐらいに次の景の準備出来てる
気づかないうちにお迎えのステージが来て退場するの完璧
テーマはそれぞれ違うのに盛り上がりのタイミングが景で揃っていてすごい
衣装の生地感と脱ぐタイミング良い(作る人すごい)
衣装の扱い丁寧で好感持てる
1部で踊るのが「フリ」になっていて「この人が今から脱ぐんだ……」という想像を掻き立てられる
男性像が脱ぐの普通にドキドキした。カルバンクラインのパンツ履いて皮ベルト噛んでた
男性的に反応してしまうのは失礼じゃなくて賞賛だと思う
直ぐに美しさに圧倒されて収まる完全に音源を流すだけなのって1人だけが動いてる状況にすごく適してる
没入感ってこういうことかも自分以外のステージにもバックダンサーとして参加しなきゃいけない
助け合いも見られてアツいし、推しが舞台にたくさん出てくるのは良いこと
私は経験上「絵画的なプロポーションなんて存在しない」と思っていた(名だたる有名画家のデッサンは絵だから整ってるんでしょ、と思っていた)んですが、違いました。
絵よりも美しかった。
途中からは「ああ、この人たちは(筋肉や誇りで創られた美しい)裸という服を着てショーをしているんだな」と感じていました。
全てを表現するために、見えない努力をしている。この人達は底の見えないプロだと。
あと、先程自分で立ち見がどうとか言いましたが、最終的にはどこから観ても正面だと思いました。「純度の高い性」は汚らわしくも、いやらしくもない本当に美しいものです。
最後の挨拶では、彼女たちのキャリアや浅草ロック座への想いが語られ、思わず目頭が熱くなってしまいました。
初めてでこんな体験をして良いのだろうか。
「ここが無くなったら困る客」はたくさんいるでしょうね。歴史に裏付けされた確かなショーが目の前にありました。
こんなものを知らなかったなんて。
帰り道、ため息をつきながら「果たして自分は一生かけて同じクオリティのものを作れるだろうか?」と自問しました。完全に食らっちゃっています。
今のところはまだ難しいですが、少しずつ近づいていきたいです。
興奮しすぎて全然まとまった文章が書けないですが、めちゃくちゃ良い体験だったので、是非すぐに誰かを誘いたい。
9月公演行きましょう。
興味ある人は教えてください。
おしまい
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