イタリアの葡萄畑からワイン生産者の想いを伝えたい
私は、イタリアに住んでいます。滞在生活が長くなってくると、この国ではワインと文化が深くつながっていることを実感します。
知らないでいるのはもったいない! 食いしん坊でもあるので、ワインのことを数年前から学び始めました。
その文化は地球環境にもつながる、深く慎ましい愛情でした。アルコールを含んだ液体だけではない魅力があります。この記事では、ワイン生産者の想いを葡萄畑の写真と一緒に伝えたいと思います。
「それは葡萄が決めること」
ワインのイベントに参加し、生産者と話をする機会がありました。
「今年の葡萄の様子はどうですか?」と気軽に尋ねると、生産者のおじさんは天を仰ぐように見上げ「それは葡萄しか知らないことだ。私は手を添えることしかできない。ワインの出来は葡萄が決めることなんだよ」と静かに答えました。
葡萄に意思があるかのような、アニミズム的な答えに面食らいましたが、同時に、おじさんの慎ましい姿勢に感動していました。
葡萄は年に一度しか収穫できません。
これは、ワインを仕込むのも年に一度だけということ。20年のベテラン生産者もワインを作った経験が20回しかないということなんです。
気候を読んで、葡萄に寄り添い、ボトルに願いながら毎回手探りで祈るようにワインを作るそうです。
この生産者の想いを知ってから、いっそうワインを大切に嗜むようになりました。グラスを傾ける時は、自然の恵みを生産者の手を介して、お裾分けしてもらうような気持ちになります。
それでは、季節の移り変わる葡萄畑の様子を写真で見ていきましょう。
場所はイタリア北部、スパークリングワインの一種であるプロセッコの畑になります。
四季折々の葡萄畑の様子はいかがでしたか?
自然の移り変わりと共に変化する葡萄、近年は気候変動の影響で、暑さに強い葡萄品種に植え替える場所もあるそうです。
おいしいワインを未来でも味わうために、環境にも気を配って乾杯しましょう!