教員業務支援員と学校事務職員の関係について
教員業務支援員の配置が広がって、久しくなりました。
当初、文科省は「スクール・サポート・スタッフ」と称し、また自治体ごとに独自の職名を付したところも少なくないようです。
私の勤務する川崎市では「教職員事務支援員」といいます。
その後。「教員業務支援員」の呼称は、21年8月の学校教育法施行規則改正により規定されました。
さてしかし。
働き方改革が生み落としコロナ対応が配置を加速させたこの職の位置付けについて、果たして学校現場で正しく認識され、適切な処遇を得ているでしょうか?
私自身は教員業務支援員ではありませんが、同じ学校職場に働く方が管理職を筆頭に多数の教員たちを向こうに回している中、適切な処遇(賃金だけの話ではありません)にあるかチェックしていきたいと思っています。
最低限、法的ないし行政的にあるべき位置付けや職務を逸脱した扱いをされるべきではありません。
敢えてこういう言い方をしますが、このことは「学校唯一の行政職員」たる学校事務職員として、当然の発想だと言っても良いかもしれません。
しかし、文科省や教育委員会当局の言う「学校唯一の行政職員」なるおべんちゃらを間に受けている学校事務職員ほど、この点には意識が向かないようです。
それどころか、自己の役割拡大(?)地位向上(??)のタネにするかのような動きが見られます。
例えば。
学校事務職員が自分の担当業務に付随する手作業仕事……事務用の印刷や入力や文書整理……を教員業務支援員に押し付けておいて、自分は教員の手作業仕事を引き受けて「教育活動支援」「働き方改革」「つかさどる」と称する。
そんなグロテスクな光景もあるようです。
「教員業務支援員」はその名の通り教員の業務支援が職務であり、学校事務職員の業務支援は職務になりません。
学校事務職員の業務を手伝わせたり肩代わりさせたりするのは、本務ではないサービス労働を強いるものであり許されない事です。
もし、教職員事務支援員に手伝ってもらわなければ仕事が回らないのであれば、それは担当業務が過重になっているということですので、校務分掌の見直し等により対応すべきものです。
役割が決まっている他職種のサービス労働で糊塗すべきではありません。
あるいは。
学校事務職員が教員業務支援員の業務をマネジメントする…という妙な話を見かけることもあります。
なぜ、非管理職で職務命令権限を持たない立場にありながら、他職種の業務をマネジメントできるかのように言われているのでしょう。
一部学校事務職員は、できるかのように振る舞うのでしょう。
一方なぜ校長教頭は、教員や事務職員の業務マネジメントはするのに教員業務支援員の業務マネジメントはしなくて良いと思うのでしょう。
なぜ一部学校事務職員は、教員の業務マネジメントをしようとはしないのに、教員業務支援員の業務マネジメントならできると思うのでしょう。
これは「職種差別」の問題だと思うのです。
歴史的に言えば学校事務職員も、教員が多数の学校職場の中で差別的な扱いにさらされてきました。
法定外控除や親睦会会計担当の強制、職員のためのお茶汲みや弁当注文取りまとめ、私用の買い出し…。
学校事務労働運動はこうした悪しき学校文化に対抗し、跳ね返してきました。
それでも、今もなお地域によってあるいは学校によっては続いており、それを廃絶する取り組みもまた続いています。
そういう職の歴史を持つからこそ、学校事務職員は学校内の職種差別や軽視、無理解に対して、是正させる立場に立てると思うのです。
必要なことは、根拠もないのにあたかも管理職然として「マネジメント」することではなく、労働者としてともに歩むことだと思うのです。