川崎市・学校事務職員パワハラ被害報道に寄せて…階層化が欲求する更なるハラスメント
「在職中、校長からパワハラ」 川崎市立小元職員の訴えに、調査中の市教委職員「該当しない」と発言:東京新聞 TOKYO Web
6月19日の東京新聞で、川崎市の学校事務職員へのパワハラ報道がありました。
校長から呼び出され「人のうわさをして楽しむような最低の人間」「あなたは価値のない人」などと叱責(しっせき)された。女性は情報漏えいを否定したが、計7~8回、長いときは40分ほどにわたり、「あなたのような人は必要ない」などと責められた
発言の一部は、同僚の教職員も聞いたと証言しているが、校長は否定
当時の市教委人事課長は「(校長は)元人権担当で素晴らしい方。こんな発言をする方ではない」と発言。別の担当職員は、調査が終わっていないのに「指導の必要性はあったので、パワハラには当たらないと考えている」などと伝えた
本件、学労川崎としては問題を把握できず、そのため対応もできませんでした。
相談先としての役割を果たせなかった点、力不足を痛感しています。
その上で、個々のパワハラに対する厳正な対応が、今後繰り返されない職場風土をつくります。そうなるよう、今後できることがないか検討していきます。
まずはその一環として、組合ニュースで事件を取り上げた上で、相談を呼びかけました。
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「学労川崎」812号(2024年7月5日発行)|学校事務職員労働組合神奈川(がくろう神奈川) web「連帯」
川崎市教委のハラスメント対応をめぐっては、人権オンブズパーソンからも「17年ぶりの意見表明」レベルで問題とされました。
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川崎市 : 【報道発表資料】 市教職員のハラスメント問題についての意見表明
今回の報道によれば、人事課長が被疑校長の“過去の経歴”を理由にハラスメント発言の信憑性を否定したとされており、事実なら論外の見識。研修云々以前の問題です。
川崎では昨年、校長の長年にわたる苛烈なパワハラが発覚しています。
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その直後にこの対応です。
川崎市教委の教職員人事課には、教頭と校長の間のキャリアを過ごす「担当課長」が多数います。
彼ら(というのも私の記憶の限り、そこに女性がいたことが皆無なのです)は教員出身で、校長の推薦を受けて教頭になり、担当課長をつつがなく終えれば校長として学校に戻ることになります。
そうした部署が、まともな知識見識を持たず校長のハラスメントに対して甘い対応に終始するのは、残念ながら必然といえましょう。
庁内組織である人権オンブズからさえ、ハラスメント対応に関する問題を指摘された川崎市教委。
そんな市教委が目下、学校事務職内に階層化と指揮命令系統を持ち込む「共同学校事務室」を導入しようとしています。
階層化はハラスメントリスクを高めます。その階層化が業務遂行の観点からは必要性が薄ければ、なおさらです。業務遂行上の正当性を証せない階層化は、ハラスメントを通したマウンティングを欲求します。
今の川崎市教委に、新たな階層構造を構築する資格はありません。