noteの深津さんがTwitterで紹介していた文章を再帰的に品質アップするプロンプトを基に、自動文章修正プロンプトを作成しましたので紹介します。
1.自動文章修正プロンプトver1
最初に考えたのが以下のようなプログラム型のプロンプトです。
これをChatGPTのGPT-4モデルに入力しました。以下がその出力結果です。
素っ気なかった最初の冒頭文を、文書表現を修正するだけでなく、内容も付け加えて、読み手の興味を引くハイクオリティの文章に書き直してくれました。
ただし、3.から4.のところで文章を書き直したのが想定外でした。
筆者としては、冒頭文を上書きしてすぐに次の修正点の指摘に移らせるつもりだったのですが、1の冒頭を書けという指示が残っていたために、再度書き直してしまったようです。
この点を修正して、さらにプロンプトを短くしたのがver2になります。
2.自動文章修正プロンプトver2
以下が先ほどの問題点を修正して、さらにプロンプトを短縮したver2です。
その出力結果は以下のとおりです。
最初の淡々とした文章に次々と描写が追加されて、恐怖心を煽る怪談の冒頭にふさわしい文章になっています。
ただし、指摘するポイントが一度に一つずつになっています。修正の効率を上げるためには、一度に複数の指摘事項を挙げさせた方がよいでしょう。
3.自動文章修正プロンプトver3
ver3では、最初に文章を生成するのではなく、外から持ってきた文章を品質アップする方式に変更しました。
さらに、一度に複数の修正点を指摘するように変更し、修正の効果を上げるために、どんな文章にしたいかを付け加えました。「ドラマチックで洗練された」の部分を自分が望む形に修正して使ってください。
以下がver3のプロンプトです。最初に表現の拙い文章のサンプルを入れています。
出力結果は以下のとおりです。
今回は、修正後2回目くらいで止めておけばよかったと思っています。
いきなり美代子さんや山本氏の名前が出てくるのも不自然です。
3回目は、プロンプトの指示に忠実過ぎるというGPT-4の悪い癖が出ていて、主人公の心の葛藤などを無理に挿入しているところがくどいし、「コミュニケーション」とか「円満な結末」とかの修正点の指摘に出てきた言葉をそのまま使用していて違和感があります。
ちなみに、修正点を指摘せずに、「この文章を3回書き直して」と入力するだけでも、文章の品質がどんどん上がっていきますが、修正点を指摘した方がより文章の品質が上がります。
いずれにせよ、こんなに簡単な方法で、文章の品質をアップできることが分かりました。皆さんもプロンプトをアレンジして、是非、文章の品質アップに挑戦してみてください。もっと上手いやり方があると思います。
また、こうした再帰的な方法での品質向上は、色々なものに応用できそうです。それこそ極めれば、AIのプログラムを再起的に品質向上させて、シンギュラリティが実現できてしまいそうです。
4.読書感想文の添削
次に、実際の文章の添削にこのプロンプトを利用する方法を紹介します。
以下がそのプロンプトであり、ネットで探した読書感想文をサンプルとして入れています。
最初の部分を書き換えて、文章の種類を指定することで、レポート、作文、小論文など色々な文章の添削に使えると思います。
修正3の後半はちょっと重複が多くてくどいので、最後の3つのパラグラフを削除するか、一部だけ抜き出して使うかした方がよいですね。
今回、毎回は修正点を挙げてくれなかったのですが、最初に指摘点を6つも挙げてくれたので十分かなと思っています。
文書の種類(レポート、作文、小論文等)を示せば、それに合わせた添削をしてくれるので、皆さんも是非、プロンプトを工夫して使ってみてください。
おまけ
○村上春樹風
○有名作家の指摘
○ラブクラフト風怪談