SAが起こす小さな現場革命 〜Part9:要件定義(中編)
私、えいる は2022年3月に転職して、あるベンチャー企業でソリューションアーキテクト(以後、SA)という仕事をしています。
SAはまだ知名度が低く、どんな仕事?と聞かれるマイナー職です。
しかし今後のコンサルやIT業界で必ず必要とされ、数年後は注目職の1つになると私は確信しており、SAの業務内容、必要性、活躍の事例を連載形式で紹介していくことにしました。
クライアント要望を理解しきれず、適切な見積もりや提案ができない
受注後に想定外の作業・課題が多発して案件が炎上
PMとエンジニアの会話が噛み合わない(現場が険悪)
こんな悩みを抱えている皆さん、その解決策の1つがここにあります!!
要件定義を成功に導くために必要なこと
前回の記事では、要件定義をテーマに必要なプロセスと業務フローについて書き、その中でSAがどのような活躍をしていくかを紹介してきました。
第2回となる今回は「機能一覧の洗い出し」と「タスクへの落とし込み」。前回、紹介した業務フローを具体化し、絵に描いた餅にリアリティを持たせていきます。
!!注意!! 業務フローの完成は始まりであり、終わりではない
業務フローによりクライアントの現状・課題・到達イメージが可視化されました。この業務フローですが、あとは注意書き程度の機能要望を追加すれば、すぐにでもシステム構築を始められそうな気がしてきます。
しかし、ここで注意したいのが業務フローは要件定義の始まりであり、この状態で開発を進めると案件がほぼ100%失敗します!!これは、あくまで現状と理想が整理されただけの状態で「何を、どうやって理想を実現するか」という、具体策が埋まっていないことが原因です。
過去に「要件定義まで終わっている」と言われた案件に入ると実態は業務フローとメモ書き程度の機能一覧だけの状態で開発が進んでいました。結果は言わずもがな「〇〇画面に入力項目が足りない」「画面Aと画面Bで、整合性がとれていない」などが設計工程で頻発し、現場は大混乱でした。
理想に向けて必要な「何」を具体化して、エンジニアが手を動かせそうな状態までもっていくのが、要件定義の次STEPである機能一覧とタスクの洗い出しです。
STEP2:業務フローを実現するために必要な機能一覧の洗い出し
商品の購入画面で決済種別は何があるか決まっていない
購入完了メールを送る必要があるが、メールアドレスの登録画面がない
こんなトラブルが後から発覚しないよう、要件定義の段階から「想定ケース」と「それに対応する機能」を洗い出していくのが機能一覧の作成になります。
しかし、プロジェクトの全貌が見えない序盤から漏れなく・具体的に必要な機能を洗い出すことは非常に難易度が高く、至難の業です。
そこで、お待たせしましたSAの出番です。SAは過去の経験/知見をフル活用させ、業務フロー全体を俯瞰的に見て「必要になるであろう機能」「リスクポイント」を的確に洗い出すことに長けています。
具体例として、私がSAとして実践しているアウトプット術を紹介していきます。
過去の経験・実績から機能一覧のテンプレを作り、穴埋め方式で実装機能を明確化していく
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