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ベトナムの仕事におけるスタンス 「助け合い」と「自尊心」のバランス

この度、4度目のベトナム訪問が実現。

今回の訪問では、日本とベトナムの価値観や人間性の違いに注目して、現地メンバーに取材を試みており、本記事ではベトナムの仕事におけるスタンスについて紹介していきます。

ベトナムの方は日本人と近い感覚があり、仕事においては勤勉で何事にもひたむきに取り組んでくれる姿に親近感を覚えます。

一方で、自分の意見を強く主張して意見を曲げなかったり、急に時間に遅れたりと、そのギャップに驚かされることも…。

この違いがどこから来るのか、今回もメンバーにインタビューをしてみて、わかってきたことがあるのでまとめてみました。



国民性や歴史的背景からもチームワークを大切にする

ベトナムのメンバーと現地で一緒に仕事をしていて感じる点にチームワークや助け合いの精神が強いことがあります。

  • 困っていそうなメンバーがいたら声をかけてサポート

  • 何気ない合間にも声がけをして積極的に進捗を共有

メンバーに聞いみるとベトナムでは、個人よりも集団の成果を重視する傾向があり、チーム全体の目標達成のために協力する姿勢が強いそうです。

このようなスタンスはどこから来るのか?

それは過去の記事で私がインタビューしたベトナムの国民性や歴史的背景に由来するものでした。


【助け合い精神の由来1】 家族的なつながりの強さ

他の記事でも紹介しましたが、ベトナムでは家族の繋がりを非常に大切にする国で、子供は基本的な礼儀作法を祖父母を中心とした年長者から教わり、皆が家族を敬い大切にしながら生活をしています。

その姿勢は仕事にも繋がっており、同僚を家族のように捉え、仕事上の関係だけでなく個人的なつながりも重視し、困った時には互いにサポートするのが一般的だそうです。

内向的で恥ずかしがり屋なところがある日本人からするとオープンに仕事の同僚を家族のように思って助け合える関係って、なんだか羨ましいですよね!!


【助け合い精神の由来2】 年齢による関係性

こちらも別の記事で紹介してきましたがベトナムでは年齢を重視する文化があり、年長者を敬い年少者をサポートする関係が日本より強いです。

こちらも仕事においても同様で年長者は以下のスタンスを大切とします

  • チーム内で長として、メンバーを率いることに自ずと責任感を持つ

  • 困っているメンバーがいれば見放さず助けるようにする

逆に若手のメンバーは

  • 年長者の指示を基本は受け入れ従う傾向にある

  • 年長者の姿を見て、憧れを頂き目指していく

  • 困ったときは1人で抱え込まず年長者を中心に皆を頼る

といったように年長者を頼りつつも徐々に成長していく歩みをとります。


日本が目指す「ワンチーム」を自然と実現している

日本でも「ワンチーム」「チームビルディング」などの言葉を見聞きしますが、それは「目標として掲げている=完璧にはできないない」ということが多いかと思います。

ベトナムでは、それらのワードが言葉として聞こえないぐらい自然に体現されています。

私も実際にベトナムを訪れ彼らの仕事場を見てチームビルディングの観点で学ぶこと、反省することが多くありました。


いいことばかりでじゃない!!注意も必要…チームの輪と自尊心の課題

ここまでベトナムの仕事におけるスタンスにおける「いい側面」を紹介してきました。

しかし「日本人から見た仕事の現場」「日本との価値観の違い」などの視点から見ると、すべてがいい側面だけではなく「あれ!?」となることもよくあるのが現状です。

ここからはそんな注意すべきポイントを見ていきましょう。


チームの結束が強すぎて閉鎖的な一面もある

前章ではベトナムはチームワークを大切にし、助け合いの精神が強いことを紹介してきました。

しかし、これはあくまで「同じチーム内」に限った話で別チームとなると会話は一気に激減する傾向があり、チームを跨ぐ場合の関係性は逆に日本より希薄に感じることもあるぐらいです。

これは「チームを家族と同等に扱う一体感」に起因しており「別チーム=別の家族」という感覚を理解できれば自然と納得がいきます。

個々のチーム(家族)で助け合っているからこそ、別チームの輪を乱さないよう「お互いに邪魔をしない」というスタンスが強くなります。

確かに私達も隣人の家族とは友好的なな関係を築きつつ、そこまで深入りせず「何かあれば」という適度な距離感を保っている場合が多く、この感覚が仕事のチーム間にも浸透していると思えば腹落ちですね。


個々の自尊心が強く、叱られることを極端に嫌います

年長者を敬い、チームワークを大切にするベトナムの人たちですが、個々の信念や個性が弱いかというとそうではなく、逆に日本人の何倍も自尊心が強いです。

はっきり言って、ベトナム人は自尊心(=プライド)が高いです

自分の間違いや非を認めることをあまり好まず、この点で日本人と衝突が発生することが多いです。

この自尊心の高さはどこからくるのか?私なりに分析してきました。


【自尊心が強い理由1:年長者を敬う責任感】

ベトナムでは年長者になるにつれ「メンバーを束ねる立場」「お手本としての振る舞い」といった責任感が伴います。

この責任感から自分が否定されたり、叱られる姿をメンバーに見られることを嫌い、常にお手本であろうとする姿勢が強くなります。

また「メンバー(家族)を守る」という思いから「自分が折れてはいけない」「否を認めると皆が不利になる」と考えから、日本人から見ると強情ともとれるスタンスをとってしまうようです。


【自尊心が強い理由1:成功とキャリアアップを目指す向上心】

ベトナムという国は日本とは比べ物にならないぐらい収入の格差があり、現地の人たちは少しでも仕事で成功を収め、よりよい収入を得ようと必死に仕事をしています。

だからこそ「失敗を咎められる=成長やキャリアアップの妨げ」と感じる傾向が強いらしく、時にそれが頑固な姿勢として日本人から悪い風に見えてしまうようです。


おわりに

ここまで紹介してきたようにベトナムにおける仕事のスタンスは、

  • ワンチームを具現化したようなチームワークの強さ

  • 個々の自尊心は強く、否定されることを極端に嫌う

という両極端な側面を持っていることがわかってきました。

日本人がベトナムメンバーと仕事をしていて発生するトラブルは、このギャップが原因となっていることも多くあります(実際に私の職場でもこの手のトラブル事例があります)。

そこで次回は、ベトナムメンバーと仕事をするうえで気をつけるポイントについて記事をまとめていこうと思いますのでお楽しみに。

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