挑戦の先でしか得られない楽しさがある。「成長意識」と共に歩んできたグローバルキャリア
8年学んだ中医学の道から、もう一つの夢であった海外でのキャリアに転向し来日。その立ち上げ期から現在に至るまで、10年以上にわたってアイスタイルのグローバル事業に携わってきた石 銀珠さん。今回は、常に新たな挑戦に満ちたキャリアをおくる石さんの仕事の極意を聞いてみました。キーワードは「成長意識」です。
ー今回、石さんに仕事の極意をお伺いするにあたって、まずは簡単にこれまでのキャリアをお聞かせください。
2013年に来日するまでの約8年間、私は中国で医者を志し中医学を学んでいました。でも今後のキャリアを「本当に楽しく仕事ができているか」「この仕事を一生やりたいか」の二軸で考えた時、研修医時代の私の答えは「NO」でした。これからの人生は長いんだから、もっと自分が好きなことを見つけようという気持ちで、もう一つの夢であった海外でのキャリアを実現するために、日本で働くことを決心したんです。その新しい挑戦のためなら、中医学を学んだ8年が勿体無いとは思いませんでしたね。
ー8年間のキャリアを諦めて、海外で0からのスタートを選ぶことは、本当に勇気のいる選択だったと思います…。アイスタイルの入社後も石さんの挑戦は続いていますね。
入社当時は@cosmeの海外向け多言語サイト(旧サービス)の翻訳や運営業務を担当していたのですが、3年が経った頃から「自分の成長」を感じにくくなったんです。そこで当時の上司にキャリアチェンジの相談をして、@cosme 海外版の立ち上げプロジェクトに参加しました。そこで個人プレー寄りで仕事を進めることができた翻訳業務の環境とは一転して、初めてチームプレーを経験したんですね。海外のメンバーとのやりとりもこの時期が初めてで、最初はプロセスやスピード感の違いでかなり苦労をしましたが、その経験を通して自分の成長実感を得ることができたと感じています。
常に実践してきた「成長意識」を持つこと
ー日々の業務の中で「自分の成長」を感じることって、常に意識的になっていないと難しいですよね。
そもそも成長というのは、定義が本当に人それぞれだと思うんです。新しい職種に挑戦するとか、新しいプロジェクトに参加するとか、もちろんそれもすごく大事だと思います。でも私は、普段のルーティン業務の中でいかに生産性を上げるか、既存の取り組みの中で改善点がないか、そんなレベルの改善を見つけ出すことも、自分の成長につながる大事な要素だと思っています。
そして「成長を実感する」土台に立つためには、自分の成長ルールは自分で決めることがとても大事だと思います。これは本当に難しいことなんですけどね。例えば、これくらい達成できたらそれを自分の成長として認める、という目安を設定する。つまり、自分の価値を自分で認めること。そして周りから評価された時に、その評価をちゃんと受け入れることも同じくらい大切です。
私は自分のキャリアの軸をグローバル領域の中で拡幅することに据えて、細かいものから中長期のものまで、たくさんの目標を設定して自分に合うやり方を見つけてきました。それがどんなに些細なことでも、たくさんインプットして、昨日の自分より成長することを意識してきましたね。グローバル事業部は一つの分野を深く突きつめていくというよりは、業務内容がとにかく多岐に渡るので、その環境も自分の成長にプラスに働いたと感じています。
想像と現実のギャップを楽しみながら埋めていく
ーこれまでの大幅なキャリアチェンジや新たな挑戦に際して、都度立ちはだかる苦労や障壁も大きかったと想像します。石さんはどのようなマインドでそれらを乗り越えてきたのでしょうか。
そうですね。自分の想像と現実のギャップを楽しみながら埋めることでしょうか。
例えば、自ら手を上げてグローバル事業会議の通訳業務を担当させていただいた時期があったんですね。それまでに翻訳の経験はありましたが、通訳の経験は一切なかったので、自分が想像した以上に難しい領域でした。会議の時間が近づくと緊張して汗もびしょびしょでしたし、会議後は毎回悔しい気持ちでいっぱいで、その場から逃げたいと思うことも多くありました。でもそんな不安や緊張と同時に、やっぱりワクワク感があったんですよね。
足りない部分が多いからこそ、そこで自分が成長できる幅も多いと思って、とにかく「自分の成長を楽しみながら仕事をしよう」というマインドでしたね。
ーそうやって不安とワクワクが混在する中で、自分を奮い立たせて仕事をする経験って大事ですよね。
はい。そういう経験は絶対自信につながるし、もうちょっと上を目指してみようというモチベーションにもなります。自分の仕事に対するモチベーションが上がると、仕事の質も高くなるし、自然とさらに成長したいという気持ちになる。普段からそのようなサイクルを回しながら仕事をしてきました。
振り返ってみると、中医学を志した日々も、海外のキャリアを選んだ現在も、私の仕事観の核には「成長意識を持つこと」があったと思います。とにかく最初の一歩を踏み出すことが本当に大事だと思いますね。
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