コーヒータウコ
「コーヒータウコ」
istutの厨房での合言葉です。
早朝からバタバタと仕込みに追われ、
なんとか開店準備が完了したタイミングに、
「ここで1回、コーヒータウコの時間だねえ」
開店して更にバタバタとした後、
ようやく一息つけそうなタイミングに、
「さてさて、コーヒータウコにしますかねえ」
そうやって時間を見つけては、コーヒー休憩をする私たち。
でも、なんだか変な言葉ですよね。
フィンランド語に詳しい方々からは怒られそうな気がします。
そうです。istutの造語です。
日本語とフィンランド語がゴチャ混ぜのこの「コーヒータウコ」を、私たちは厨房でずっと使って来ちゃいました。文法とか国際言語を越えて、「コーヒー休憩にしようか」という時に、自然と口にするようになっていたのがこの「コーヒータウコ」なんです。
正しくは、フィンランド語の「kahvitauko(カッハヴィタウコ)」です。
このフィンランド語をそのまま分解すると、「kahvi」はコーヒー「tauko」は休憩。つまり「kahvitauko」は「コーヒー休憩」という意味になります。日本だと「コーヒーブレイク」の方が親しみのある呼び方ですが、「ブレイク」ではなくて「タウコ」じゃなくちゃダメなんです。そして「カッハヴィ」じゃなくて、やっぱり「コーヒー」じゃなくちゃダメなんです。面倒くさいカフェですねえ。
話は変わりますが、istutの厨房は2坪弱の小さな厨房です。その中に大きな厨房機器が配置されているため、ふたりが過ごすスペースはとても狭くて小さいんです。この厨房で、長年、たくさんの仕込みをし、たくさんの料理をし、たくさんのパンやケーキを焼き、たくさんのコーヒー休憩をしてきました。この小さな厨房は、私たちが9年間過ごしてきた小さな自宅のような場所です。その料理や製菓と同様に、istutのコーヒー豆の焙煎もこの厨房で行います。
小さな厨房で、ずっと私たちが合言葉にしてきた「コーヒータウコ」。この言葉を、どうしてもistutの自家焙煎豆の名前にしたかった理由には、こんなストーリーの存在がありました。
そしてこの名前には、オリジナルエコバックを作った際の「pidetään kahvitauko 」への私たちの想いも添えています。
「pidetään」
このフィンランド語は、
「~でもしようよ!」という誘いかけの動詞です。
つまり「pidetään kahvitauko 」を直訳すると、
「今こそコーヒー休憩をしようよ!」という意味になります。
こんな時だからこそ、
疲れた気持ちを休めたり、負の考えを切り替えて、「さあて、コーヒー休憩でもしましょうか!」と、少しでもポジティブな気持ちになれる時間を、皆さんに持ってほしいなあと思った私たち。
さてさて、ぼちぼちコーヒーでも飲みましょうか。
「pidetään kahvitauko 」
いよいよ「コーヒータウコ」もスタートすることですし。