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【短編小説】家族の綻び

 僕の父親はお酒が大好きで、仕事以外の時間はお酒を飲んでいるか酔っ払って寝ているかだ。黙って飲んで寝ているだけなら問題ないのだが、酒乱だったので家族は大いに迷惑をした。それでも母が父と離婚しなかったのは、仕事だけは真面目にしていたからだ。橋本はしもともいくら酒に溺れようが仕事さえしていれば、あんなことにはならなかったのかもしれない。

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