フルーツプラネットハウス 8月
この惑星は「フルーツプラネットハウス」
フルーツの形をした惑星だからこの名前にした、とても安直なネーミングだ
ここには不思議な生物が住み着いている
その不思議な生物を観察することが毎月の楽しみである
さて、今回はどんなフルーツに住み着いているのだろうか
晴れ間が見え隠れする曇り空
目ではほとんど確認すら難しい小雨が降り続き
雨で蒸発した熱気を感じる
雲間から覗く太陽の日差しのそばに
その不思議な惑星はあった
洋梨だろうか
このフルーツプラネットハウスには
窓がいくつもあった
まるでマンションのような作りだ
そこに「ギー」はいた
「ギー」はその窓の一つから顔を出している
驚いたことに
ギーは雨を凌ぐかのように
傘をさしているようだった
この小雨さえもギーにとっては不快なのだろうか
それとも傘はただの気まぐれだろうか
心なしかギーの表情からは清々しさを感じられる
この天気に左右されることがつまらない事だと教えてくれているかのようだ
さて、
今回の観察はこのぐらいにして
雨の中の散歩に出かけようと思う
「ギー」についてはまだまだ観察が必要だ
観察を続けてみるとしよう
月に一回記録をまとめてみる
ではまた
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謎の生物「ギー」
記録者「???」
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絵・文:一色十秋
ここまでたどり着いていただきありがとうございます。気に入っていただけましたら幸いです。またのお越しをお待ちしております。