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【新NISA】新NISAに向けたシミュレーション記事のまとめ

最近はゴルフやら筋トレやらと、投資とは別の記事ばかりになってますが、とはいえ自分が一番時間を使っているのが投資です。そうこうしているうちにもう9月、2024年の新NISA開始まであと4ヶ月弱となりました。

これまでこのnoteでは、その新NISAにからめた投資シミュレーションに関する記事を幾つか書いてきました。特に自分がこだわったのが、「期待リターンを今後XX%とすると…」といった、よくあるシミュレーションにみられるような一定と仮定するのではなく、金融市場がランダムに動くことを前提として、複数回そのシナリオを発生させ、数年後・数十年後の分布がどうなっているのかというのをモンテカルロ・シミュレーションという手法を使って視覚的に表してみようというものでした。

記事自体はバラバラと分けて書いているので、今回はそれらを一連の流れがわかるようにまとめてみたいと思います。


そもそも新NISAの仕組みとは?

まずはこの新NISAとはどういう仕組みなのか、まとめてみました。これに関しては各所でいろいろな方が記事でまとめてくれていますね。

巷でよく見るシミュレーションをしてみる

モンテカルロ・シミュレーションを使ったシミュレーションを行う前に、世間でよく見る、「期待リターンを今後一定と仮定」したシミュレーションをやってみました。この仮定自体は非現実的ではありますが、年数が経つごとに加速度的に資産額が増えていく、いわゆる複利効果を確認するにはいいと思いますね。

自分が分析してみたいことのアウトライン

詳細なモンテカルロ・シミュレーション分析に入る前に、ざっくりと自身がこれからやってみたいことのアウトライン(道筋)を考えてみました。その中で、目的「金融市場の価格の動きはランダムであることを想定し、10年後、20年後、30年後には自分の運用資産がどうなっている可能性があるのか、その可能性の分布状況を知りたい」を明確化しました。

まずはExcelで標準正規分布に従う乱数を発生させてみました

ここから早速モンテカルロ・シミュレーションを使った分析に入るわけですが、この記事では、そもそもモンテカルロ・シミュレーションとは何か?そして、使うツールを誰でも使ったことのあるExcelとし、まずはExcelで標準正規分布に従う乱数を発生させてみました。ある一定の分布に従う乱数を発生させることは、モンテカルロ・シミュレーションを行う際の重要な入り口になります。金融市場の分析を行う際には、価格がブラウン運動することを前提とし、ホワイトノイズは標準正規分布(平均0、標準偏差1の正規分布)に従う乱数であるので、Excelにてそれを取り出してみました。ちなみにこの記事、閲覧数、スキの数がこれまでのところ一番多い記事です。なんか嬉しいですが、何が要因なんでしょうね?

とりあえずモンテカルロ・シミュレーションをしてみた

前回のnoteで発生させた標準正規分布に従う乱数を使って、Excel上でモンテカルロ・シミュレーションをしてみました。ただここでいきなり課題に直面します。まずは、今回の新NISAでは、つみたて枠と成長枠の2つの枠が存在するので、最低でも2つの投資対象が必要となります(まあ究極的には1つでもいいんですが…)。つみたて枠用と成長枠用にそれぞれシナリオを発生させる際、同じ金融市場ですので、2つの系列には相関があるはずです。シミュレーションする際には、つみたて枠と成長枠の相関を考慮した乱数を発生させないといけません。2つ目の課題が、あっという間にファイルが重くなってしまったことです。シナリオの期間・頻度、またシミュレーションの試行回数を減らすなどの必要性に迫られました。
なお、ここで直面した課題を考慮した記事を最初から書くのもありかと思ったのですが、こういう「試行錯誤感」もあってもいいかと思い、このnoteを書きました。

投資対象の期待リターンとボラティリティ、相関係数を推定しました

相関のある2つのリターン系列を使ったモンテカルロ・シミュレーションに使用する、期待リターンとボラティリティ(標準偏差)、それらの相関係数を推定しました。つみたて枠と成長枠で投資する対象をそれぞれ日本株インデックス(日経225)、米国株インデックス(ダウ、SP500、NASDAQ)と想定し、それらの過去のリターンを取得して比較してみました。日本円からの投資になるので、米国株インデックスについてはドル円の為替も考慮して計算してみました。結論は「日経225+NASDAQ」の組み合わせでしたが、どのインデックスも過去の数字は悪くないなという印象です。

Excelで相関のある乱数を発生させてみました

2つの系列で使用する期待リターンとボラティリティ、そして相関係数が決まったら、次にExcelでその相関のある標準正規分布に従う乱数を発生させました。これ、2つの系列だから簡単ですが、系列が3つも4つにもなったらどうするんでしょうかね?(伝統的資産クラスは4つあるので、そのうち4つの場合でやってみようかと思ってます)

実際にモンテカルロ・シミュレーションやりました

これまで準備してきたデータをもとに、モンテカルロ・シミュレーションしました。Excelを使った原始的なやり方ですが、シートをみて何をやっているか一目瞭然ですし、いろんなキャッシュフロー(投資スケジュール)に対応できるのがこのシートの良さかと、自画自賛してます。

自分のシナリオにあてはめた結果の分布を考察します

シミュレーションした結果、自身の想定する運用資産額がどういう分布になるのか示してみました。このnoteで示している結果の分布がまさに自分がこの一連の分析で見てみたかったものです。10年後(自分が65歳)、20年後(75歳)になった時に、資産がどれくらい増える可能性があるのか、あるいは最悪どれくらい減る可能性があるのか、ざっくりとわかります。自分の場合、特に「ダウンサイドに抵抗力があるのか?」考えさせられる結果でした。それに加えて、「運用がうまくいったとして、20年後、75歳になったときにそんな額持ってても仕方ないのでは?」という、「そもそも」の疑問も感じたりしましたね。

20代、30代の若手を想定してシミュレーションしてみました

最後に、いま自身が20代、30代の若者であると想定し、入金額は最初は少なめ、時間をかけて資産を積み上げていって、より長期の視点、30年後、40年後にどうなっているか検証してみました。当然ですが、期間が長くなればなるほど、アップサイドは大きくなります。「投資はできるだけ早く始めたほうがいい」と言いますが、まさにその通りですね。もちろん最悪のシナリオも明らかになりましたが、実際問題、そのシナリオがどれくらい起こるんだろうと思うと、まだまだ先の長い若者はあまりそれを気にしなくてもいいのかもしれません。最後は、シミュレーションとは全く異なりますが、「そうはいっても、今が大事!」ってことで、「そんなこと言ったらもともこもないじゃん!?」っていうメッセージで締めくくってます(笑)若い頃から投資をして、老後に備えるのは大事だとは思うんですが、それに怯えて今何かを我慢するのではなく、まずは今を充実させて欲しいという個人的な思いからです。これから新NISA開始に向けて、老後問題を引き合いにだし、やみくもに不安を煽って投資をススメる記事も増えてくると思いますが、そういうのに流されず、今と将来のバランスを取っていってもらえればと願ってますね。

以上、これまでの新NISAに備えたシミュレーション記事のまとめでした。

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