データ性善説
もともとNewsPicksのコメンテーターとして見知っていた宮田先生。結構独特な世界観のビジュアルをされてるんだけど、地上波でもコロナ関連のコメンテーターで出演されている話を聞いていると面白い方だったんで本を購入。
このコロナで「パーソナルデータ」についての管理については国ごとの大きな違いが出たことを、著書の中でアメリカ型、EU型、中国型という3つの形で整理されています。趣旨の方向性としてはかなり性善説的な立ち位置での見解ですが、もし本当にデータを共有することが、より豊かな人々の生き方に繋がるとしたら、いままでは「ざっくり大人数」だったことが細分化されて、よい社会になるのかもしれません。あと、マーケティングとかである「わからないから作る(作りすぎる)」「とりあえず無難なものを作る」みたいな状況も改善されるのかな、とも。
アメリカには住んでたことがり、妻が中国出身で、ヨーロッパは旅行で訪れたくらいだけど・・自分の感覚としては、この3つの国と日本の違いって「仕事における合理性」だと思います。この3つの国とも、何かコトを成す時に大多数にとっての正解と作業効率を考えて実行されますが、日本はそこを細かく対応させようとしすぎて上手くいってない気がします。状況を抽象化し、一般論である程度までは処理する(漏れについては仕方ない)という発想が苦手なことが、ITの分野において2000年迄の近未来都市日本の延長線にない、現在の2021年の日本の状況と繋がっているのではないでしょうか。
データがこれからの社会変革の軸になる主な理由は「貨幣以外の多様な価値を可視化し、それによって社会を駆動すること」「ひとりひとりの多様なニーズを満たすこと」という性善説的な考えに賛同できる方にはおすすめの本です。
データ立国論(2021年、PHP新書、宮田裕章)
【本日の朝食】
ゴーダチーズをたっぷり練り込んだパンを開いて、夏野菜のラタトゥイユとポテサラ(クリームチーズ入り)を塗ってオーブンで15分。自家栽培のディルを散らして、オレンジを添えて。