京の河霧 (B)
京の河霧 (B) 草 川 義 英
草の穂のさやさやゆれて光る秋小道
に瀧の音ききにけり
遠つきしわがなつかしき初旅に暁空
寒き小村なりけり
夜の空にひそまり見江しやまつづきこ
の暁の雞鳴く空に
故郷の幻想
あめりかの國旗を被へる轉宅の馬車
のしづかに軋るはつ冬
露西亞人三人ならびてたからかに街
ゆく瞳に見江し秋かな
海燕とぶも床しや春宵のまばゆき雪
のふりいでにけり
京極のまばゆきなかをねりゆける木
履は悲し振袖悲し
―晩秋雲脚記から―
(この歌を木村鹿七、土谷白晶氏に送る)
(函館毎日新聞 大正六年十二月二十五日 二十四日夕刊
第一万一千六百三十五號 一面より)
※草川義英は與志夫の函館商業学校時代のペンネーム、同学校の生徒
を中心に結成された夜光詩社という短歌クラブに所属していた。
※[解説]夜光詩社について
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函館市中央図書館、国立国会図書館、所蔵
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