宿命の旅団 ~旧版と新版の違い~
ゲムマ秋2019でWYゲームズ(Twitter@yopipopi)から登場した作品である『宿命の旅団』がHobbyJapanより商業出版されることになりました。筆者は当時のゲムマで既に手に入れていたものの、下記に記した情報を見聞きしたため購入に至りました。
本記事においてルール説明は行っていません。どちらかというとWYゲームズから出展された旧版を持っているけれども、新版を手に入れようか迷っている方の指標になれば良いかなと思って書きました。
記事構成は以下の通りです。
旧版と新版の違い紹介
①<内容物>
②<ルール>
③<雑記>
①<内容物>
まずは箱から。ほんの少しですが箱が小さくなっています。後ほど紹介しますが、コンポーネントも新版の方が一回りずつ小さくなっています。アートワークに変化はないですが彩度が上がった仕上がりになっています。英語のロゴも挿入されていて、海外に向けての発信の気概も感じられます。
続いてルールブック。新版では日本語版と英語版の2冊が同封されています。読みやすさはイラストもあり、細かいルールも補足で記載されている新版の方に軍配が上がります。新版のルールの方が初めて購入される方にとっては頭に入りやすいかもしれません。
コンポーネントその1。トークン類。知識と魔力のイラストが大きく変更されました。また、1つ分を示すトークンはそのイラストの形そのままのトークンになっています。ラウンドマーカーと3つ分を示すトークンが一回り小さくなっています。
コンポーネントその2。旅団カード。他のカードも含めてですが、サイズが一回り小さくなっています。イラストは旧版で担当されたTAKERUさん(Twitter@ODDSaENDS)のものがそのまま引き継がれています。効果はすべて旧版と同じですが、長谷川登鯉さん(@bodogedama)のUI監修のもとで分かりやすくアイコン化されました。賢者のように獲得できるトークン数も数えやすくなっているところに職人魂を感じられます。
コンポーネントその3。冒険カードと遺物カード。表側のイラストに変更はありません。遺物カードは裏面が横向きになりました。内訳には若干の変更点があります。
例えば遺物カード。旧版の方では第1段階のカードにも点数カードが4枚含まれていたので、序盤で遺物を手に入れても能力強化ではなく点数カードである場合がありました。新版では第1段階の遺物カードには能力強化カードのみに統一されています。「序盤は能力強化をしよう!」という意図がより鮮明に感じ取れるルールに変更されています。
冒険カードは新版では旧版のカード全てが再録されていますが、90点カード以外は3枚ずつになっているのと、新たな宿命カードが1枚追加されました。
これは後ほど紹介するルール変更で5人までプレイ人数を拡充したことが影響しての変更点だと思います。新たな団員として使えるこのカードは、依然として強力な効果を持つ宿命カードの新たなシンボルとなっています。また、カードにはすべて英訳がついています。
②<ルール>
まずはプレイ人数が旧版が3~4人だったのに対して新版では2~5人とプレイ機会の受け口が大きく広がりました。バッティングというゲームの性質・ゲームバランスを考慮しての3~4人というプレイ人数だったのだと思うのですが、上杉カレーさん(Twitter@dbs_curry)のディベロップによって大きな進化を遂げました。2人用専用のルールもありますが、ほんの少しの変更が加えられたのみになっています。
「聖職者を『伝説の聖職者』でプレイした場合に相手プレイヤーは『名もなき…』でしかプレイできない」というルールだけが加えられます。これだけで2人プレイを可能にしたというのですから上杉さんという人は本当にすごい人だなと改めて感じます。
5人目のプレイヤー用に紫色の旅団が追加されました。仮面をかぶった旅人は新登場のキャラクターです。旅団メンバーは他プレイヤーのものと同じ仕様になっています。
ルール内容にも少しずつ変更点があります。遺物カードのセットアップが旧版とは異なり、第1段階の能力強化カードはプレイ人数に準拠した枚数を用意します。
能力強化カードも一部が変更されています。
聖職者は「魔力トークンを追加で得る」のが「任意のトークンを追加で得る」効果に上方修正されました。
盗賊は「知識の支払いを無視しても良い」から「知識を支払うと通常効果に加えて知識が返ってくる」という「知識トークンを準備しておかなければならない」という効果に下方修正されました。
獣人は「追加で戦力トークンを得る」のが「追加で冒険カードの獲得」に変更されました。旧版とは違うプレイ風景になりそうです。
旧版と新版の違いについては以上です。根幹の面白さを一切崩さず、ディベロップによってゲームバランスがより洗練された新版は旧版を既に持っている方にも個人的にお勧めします。
③<雑記>
旧版持ってるのに新版買うの?なんて声をよく聞きますが、ルール変更がされていればそれを知ったうえで購入に至る人が多いのではないかと思ってこの記事を書きました。筆者の場合は個人的に本作への思い入れが強いので新版を購入した理由は異なります。ゲムマ秋2019のための下調べでWYゲームズさんのHP(http://gakuseibg.blog.fc2.com/)で熱い製作記事を読んで気になり始めたのが始まりでした。筆者がゲムマ当日ブースに行ったとき、アートワークを担当したTAKERUさんが売り子をしていらっしゃいました(作者さんはお昼休憩だったかな…?)。その時に本作を紹介してくれたTAKERUさんの、心の底から自信をもって楽しそうにおススメしてくれる姿が決定打となって即購入しました。このようにゲムマは作成陣との距離が近いのもいい点だと思っています。実際に遊んでみればとても面白いし、遊ぶたびにTAKERUさんの笑顔を思い出したりもします。新版を購入する決定打になったのは上杉カレーさんによるディベロップが加えられたという情報を知ったからでした。個人的に上杉さんの大ファンなので最高のコンボを食らった感じでした。
自分が好きなゲームが商業出版されることになって自分事のように嬉しく感じています。これからも多くの人がこのゲームをプレイして楽しい時間を過ごせたらいいなと思います。WYゲームズさんをはじめ『宿命の旅団』作成陣のみなさん、この度は本当におめでとうございます。
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