No,62.無知こそ最強ーメタ認知ー
メタ認知についてつらつらと書いてみる。
背景
その前に、こんな話がある。
男は変装し昼間に堂々と銀行強盗を働き、1時間後に捕まった。警察は男に監視カメラを見せたところ、こうつぶやいた「レモンジュースを顔に塗っておけばビデオカメラに顔が映らないはずなのに」。
レモンジュースを顔に塗ったらビデオに映らないってアホだろ!と多くの人は思うだろうが、この男からしたらそう思っているからしょうがない。
つまり、この男が持っている知識(レモンジュースを塗ったらビデオに映らない)からの自信・・・
1世紀以上前の偉い人も言っている「知識が自信を生むよりも、無知がしばしば自信を生む」Charles Darwin(1871)。
このような傾向になる原因として、多くの心理学者はメタ認知やメタメモリ、メタ理解などの用語を使い説明している。
メタ認知の定義
ざっくり言えば、自分が感じたことや考え方に、なぜそう感じたのか?なぜそう考えたのか?を客観的に理解して、感じ方や考え方を正したり、コントロールしたり、制御できる能力ってこと。
この能力の高さや低さが行動や言動に反映されるってことです。
たとえば勉強をする場合、まずは勉強のやり方を考えて勉強するとか、仕事をする場合、仕事をいかにして効率よくこなすのかを考えて、仕事をするとかもメタ認知の1つ。
一般的に、空気を読むといった能力もメタ認知が関係しているかもね。
先行研究レビュー
この能力について検証した実験がある
●大学生65名を対象に「自分のユーモアセンス(ユーモア)について」検証。
クラス全体でユーモアセンスが高い人を記述してもらった結果
ユーモアセンス成績が最下位の16名の生徒は、自己評価では全体の平均よりユーモアセンスが高いと評価していた。
逆に、上位の16名の生徒の自己評価はユーモアセンスを過小評価していたらしい。
つまり、自分が面白い人と思っている人で周りに思われてない人がメタ認知が低いということです。
考察
メタ認知の重要性は古くから言われています。
そのためには、自分自身の思考や学習プロセスを観察し、理解することが重要です。
自分の強みや弱みを把握し、改善点を見つけるために自己評価を行うことが重要だろう。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
引用文献
Justin Kruger and Davit Dunning(1999)Unskilled and unaware of it: How difficulties in recognizing one's own incompetence lead to inflated self-assessments .Journal of personality and social psychology,Vol.77,No.6,pp1121-1134.
多鹿秀継(2008)「子供の算数問題解決におけるメタ認知の役割」『神戸親和女子大学研究論叢』