[#55] すすがないイギリス式の食器洗い
私がイギリスに語学留学した時に、カルチャーショックを覚えたことの一つが「イギリス人は食器洗剤をすすがない」ということでした。
有名な話なのでご存知の方も多いかもしれませんが、ご存知でない方のためにどういうことかと説明すると、
イギリス人は食器洗剤をすすぎません。
はい?となるかもしれませんが、読んで字の如くです。
大事なことなので3回言いますが、イギリス人は食器洗剤をすすぎません。
イギリス式食器洗いを工程順に文字で表現してみます。
あなたはお気づきになったでしょうか…。
上記7ステップの中から、洗剤の泡をすすぐ工程が抜け落ちていることを。
最初見た時、うちのホストマザー(以下おばあ)が編み出した、独自の節水ライフスタイルかとも思いましたが、どうやらそうではなくて、他国から見たイギリスの変な習慣あるあるの1つみたいです。
ちなみに歴史的にイギリス文化の影響が強いオーストラリアとニュージランドでも同様な食器の洗い方をするとのこと。
イギリス人の中でも「この習慣変じゃない?」と思っている人もいて、ガーディアンという新聞のWEBサイトで、
”汚れた泡と水がついたお皿をすすがないなんで信じられない!”
というスレッドが立ったりしているので、全員が全員そういう習慣というわけではないみたい。
しかし、そのスレッド内のすすがない派の擁護回答には、なんだかなあ…というのが散見され、
例えば…
という具合。
逆に、すすぐよ!派も半分くらいいて、みんな口を揃えてばっちいし身体に悪そう、だからすすぐよ、とのことです。よければ原サイトをどうぞ。
すすがなくなった理由を考察している人もいて、その昔、まだイギリス国内に食器用洗剤が広まっていないころの1950年代のTV CM内で、泡を洗い流さずに水切りカゴに入れているのを見た人たちが、洗剤ってそういうもんなんだとマネをした、という説もあるみたいです。
それが本当なら諸悪の根源となったブランドがこちら。
見るからにめちゃくちゃ洗剤です。
郷に入っては郷に従え、と言われるものの、留学中この習慣だけはどうしても慣れなくて、おばあがいない時に水ですすぎなおしたり、さっとナプキンで拭いたりしていましたが、最終的には「気にしないようにする」ことで乗り切りました。
だって、泡をすすいでないお皿で毎晩ディナーを食べたって具合悪くならなかったからね。いいでしょ。
最後に、ニュージランド在住の方が、このイギリス式食器洗いを動画にしてくれていました。コメント欄がOFFになっているところに、過去何かあったのでは、という邪推を禁じ得ません。
ではまた。