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【出産しました】出産レポ

無事に、第二子となる息子を出産しました。


妊娠出産って人生の中でかなり大きな出来事だけど、終えた瞬間から過去フォルダに仕舞われて、退院するころには家族と分娩について語ることもなければ、ひとりで思い返すこともほとんどない。
赤ちゃんを連れて自宅に戻っても、入院前とそう変わらない日常が待っていて、むしろ入院生活の方が特別な体験だったと思えるし、あまりの変化のなさに「あれ。私もう産んだんだっけ」って思う瞬間もあって。

まだ退院してほんの数日の今でもそうなのだから、過去フォルダから簡単に取り出せるうちに、分娩当日のことや入院中の気持ちなんかを何記事かに分けて綴ってみようと思う。


出産レポ

分娩前日
14時〜20時までハウスメーカーとzoomで打ち合わせを行い、ベッドに横になりながら寝落ちするまで海外ドラマを観て過ごす。
(予定日はもう少し先だけれど)翌日か翌々日に産みたかったので、『明日陣痛が来なければたくさん歩こう!』と思いながら寝る。


午前4:30
目覚めたときに少し腰痛を感じる。
前日の打ち合わせで長時間椅子に座っていたせいか、陣痛の初期の痛みかわからなかったけど(そのくらいわずかな痛みだった)、陣痛の場合に備えて心の準備をする。
念のため夫にLINEし、ベッドに横になる。

初産のときは出産まで27時間30分以上要したけど、その間、陣痛の痛みにとても食事をとれる状態ではなかったので、今回は食べられるうちに好きなものを食べよう!と決める。
『お昼ご飯はトンカツにしようかな? デザートはあん巻きかケーキのどっちがいいかな』なんてことを呑気に思う(まだまだ痛みは余裕だった)。


午前5:30
夫に「ほぼ確実に陣痛だと思うので今日産まれると思っといて」とLINE。夜ご飯までに産み終わって、夜ご飯は病院で食べられるといいなぁと思う(食への執着といったら……!)。

洗面所でお腹の記念写真を撮り、朝食を食べる。
この日のメニューは、サラダ、オムレツ、少なめのお肉、果物、バニラヨーグルト(まろやかで美味しいよね)、カフェインレスコーヒー。お昼ご飯が食べられないかもしれないと、トーストも追加して食べる(久しぶりに食べるトーストがとっても美味しかった!)

陣痛の痛みはまだまだ全然耐えられるレベル(でも初産のときはこれくらいの痛みでも結構痛がってた気がする。一度経験したことって、次はもう少しうまく対応できるようになってたりするもんね。)
ソフロロジーの呼吸法を意識しながら、入院バッグに化粧品などを詰める。

めざましテレビの運勢は1位…☆
幸先いい!


午前8:30
アプリで陣痛間隔を測ると4分半おき。
初産のときも陣痛初期から5分間隔スタートだったので、まぁこんなもんかと思う。痛みは少しずつ強くなってきたけれど、娘や母とも普通に会話する。
破水していないのを確認してシャワーを浴びてから、ブラックリスト(海外ドラマ)のエピソード20話分(入院中にどんだけ観るつもりなのよ!)と、007の主題歌(No Time To Die /ビリーアイリッシュさんと、Sky fall /アデルさん)をiphoneにダウンロードしておく。
これは本当にしておいてよかった!!特にNo Time To Dieは入院中何回聴いたかわからない。
ちなみに、鞄には007のポストカードも忍ばせた(笑)


午前10:15

痛みが増す。陣痛間隔は変わらず4分半。
前回の分娩時は子宮口が開いていなくて一旦帰宅したので、今回もそうなったら嫌だなぁと思ったけれど(前回は自宅で陣痛の痛みに耐えるのが本当につらかった……)、「陣痛間隔も短いし産まれたら困るから一回診てもらった方がいい」という母の勧めで病院に電話。
念のため入院バッグを持ってくるよう言われる。
夫に病院に行く旨LINEで報告すると、午後は休みを取ったと連絡がくる。


午前10:30
産院に到着してそのまま中待合に通されたけれど、なかなか名前を呼ばれない。
15分後くらいにようやく呼ばれ内診台に上がる。
助産師さんにすごく痛いか聞かれ、「陣痛と陣痛の間はまだ普通に話せます。」と答える。お腹を触られると「でも結構張ってきてるね」と言われ、先生が登場。
子宮口は4センチ開いていて、分娩が進んでいるので入院するよう言われる。


午前11時
車で待機していた母に入院バッグを持ってきてもらう。
助産師さんに「ご主人かお母様かどちらに立ち会ってもらいますか?」と聞かれ、「一人で産みます」と答えると、「えっ!? 陣痛中のサポートもしてもらわなくて大丈夫!?」とちょっとびっくりされる(笑)
夫の立会いは難しいし(夫か母のどちらか一人しか分娩に立ち会えず、その人しかその後の面会に来られないのだけど、母の方が入院中に諸々の用事をお願いできるかなと思い、夫に立ち会ってもらう選択肢はなかった。)、母は母で私の娘の面倒があるので(父と二人きりはまだ難しい)、前から決めていたとおり頑張って一人で乗り切るぞ!と決意を固める。
(一応、母に「分娩やカンガルーケアに立ち会えるけど、立ち会わなくてもいい?」と聞くと、「〇〇ちゃん(私の娘)が心配だからいいや……」と帰っていった(笑))

助産師さんが美人で優しい人で、「お母さんは強いね。頑張ろうね」と励ましてくれる。


午前11:20
陣痛室がいっぱいのようで(同じタイミングで陣痛に耐えている人がたくさんいると思うと、それだけで心強く思えた。)、部屋が空くまで分娩室で待機することになる。
用意された服に着替え検尿を終える。
痛みは強くなってきているけれど、まだ会話も歩くこともできる。

子宮口は5センチで、とっても柔らかくて順調とのこと。

助産師さんに「どのくらいで産まれると思いますか?」と尋ねると、「今、2分半間隔でとってもいい陣痛が来てますよ。このまま順調に進めば、お昼過ぎからおやつの時間までには産まれるかなぁ。でも陣痛が弱まったり、間隔が開いてきちゃうと、もしかしたら夜までずれ込むかもしれない。」との返事。

「無事に産んでおやつは食べられるといいなー」と言う私に(食い意地……!)、「痛くて全部は無理かもしれないですけど、お産は体力勝負だからお昼も食べてほしいので、後でここに運んでもらいますね!」と言われる(でもあの痛みのなかでは一口も食べられなかったと思う)。
当日のLINEのやりとりを見返したら、夫にまで「昼ご飯は逃しそう。夜まで我慢。おやつの時間はどうかなぁ」とLINEしてた(笑)

陣痛の波に合わせて腰をさすってもらったのがとても気持ちよくて、少し痛みが和らぐ。

助産師さんが退室し、ここからひとりきりで陣痛に耐える。
横向きに寝ながら、ソフロロジーの呼吸法を忠実に守ることに意識を集中させる。

午前11:45
痛みがかなり強まってきて、何度か声が漏れる。
助産師さんがやってきたタイミングで、「今、子宮口どのくらい開いているか確認してもらえますか?」とお願いして確認してもらうと、「子宮口8センチから9センチ! このまま分娩に入ります!!」と、突然周囲が慌ただしくなる。

4、5人の助産師さんが急いで分娩の準備をしてくれている間、どんどん増していく痛みのなかで、『えっ、もう産むの?』と思っていた私。
いや、痛みはもう出産直前のそれなの。でも、『ついさっきまで普通に話してたよね!? もう出産!?』と、展開の早さについていけない。病院に到着して内診台に上がったのって、つい1時間前なのに!!

「すぐに先生呼んで!!」と助産師さん。
来てくれたお医者さんは、いつも診てもらっている女医さんで、そのことにほっとする(初産の時は休日の明け方だったので、はじめましての非常勤の先生だった)。

このときには、陣痛間隔は1分。最高潮に痛くて痛くてたまらない!!
腰周辺をハンマーで思いっきり殴られてるような、なんともいえない痛みで、「あー……こんな痛みだった」と思い出す。
本当なら分娩室に入った段階で、リラックス効果が期待できそうなムーディーな照明になっているはずだし、スクリーンにはイルカが泳ぐ海の映像が流れているはずなのだけれど、分娩室スタートになったことと、おそらく想像以上に早く分娩を迎えたことで、どちらの演出もなかった(笑)(陣痛中からソフロロジー用の音楽はかかっていた。)

「両手は胸の上に置いて」、「目は開けましょう!」、「顔の力を抜いて」、「息は長く吐いて!長く吐かないと赤ちゃん下がってこられないよ!」を繰り返し言われる。
呼吸法は何回も練習したはずなのに、痛すぎて長く息を吐こうとしても途切れ途切れになってしまう。このご時世ゆえのマスクがまた息苦しい。
酸素マスクをつけてもらうと、息がしやすくなってさっきよりは気持ち長く吐き出せるようになる。
先生が「上手に呼吸できていますよ」と褒めてくれたけれど、実際には呼吸はすごく乱れていたと思う。本当に痛かった……!

午後0:07
無事、赤ちゃん誕生
すぐに泣き声が聞こえてきて安心する。
後処置をしてもらいながら、そのままカンガルーケア。ちっちゃい。ふにゃふにゃ、ぬるぬる。あったかい。なんか独特な匂いがして、クンクン嗅いでみる。バスタオルに包まれてよく顔が見えないけれど、タオルの上から背中や頭をよしよしする。よく頑張ったね。生まれてきてくれて、ありがとう。

後処置は、初産のときより痛く感じた。陣痛に比べれば全然我慢できる痛みだったけれど、悪露を排出させるときは、思わず力んでしまった。

助産師さんが、カンガルーケア中の様子を写真に撮ってくれた。
はじめての二人の写真。誰も立ち会っていないから、撮りあいっこできないなと思っていたので、嬉しかった。


午後0:30
引き続きカンガルーケア中(カンガルーケアは1時間)。
夫と母に、写真付きで出産報告をすると、夫は二人目の分娩の早さに驚き、母からはカンガルーケアの間に来るとの返事(娘は?笑)。
夫から「昼ご飯持って行こうか?」とLINEがくるも(持ってきてくれても病院に入れないけど)、「昼ご飯いらないよ!たぶん食べる元気まではないから」と返す。夫は仕事で出先だったので、帰宅後の1時過ぎ頃にテレビ電話をしようと約束する。

母到着。
カンガルーケア中の姿をスマホで撮ってくれる(後で送ってもらったら、どれも接写で笑ってしまった笑)。

午後1:15
カンガルーケア終了。赤ちゃんは体重身長測定のため、退室。
夫に「ごめんいなくなった笑」とLINEする(夫の帰宅、一歩間に合わず!)
赤ちゃん退室後、なんと、なんと!!昼ご飯が運ばれる(パチパチパチ)

メニューは、牛フィレソテー、シーザーサラダ、エビと豆のトマトソース和え、コーンスープ、ぶどうゼリー、ご飯でした。ご飯は少し残したけど他はすべて完食!(陣痛中、夫には食べる元気ないと思うなんてLINEしたけれど、十分あった(笑))

分娩台の上でご飯を食べながら、夫とテレビ電話(ただただ私の食事シーンを見せられていた夫ですが、30分後くらいに赤ちゃんも再びやってきて、無事テレビ電話できた。)


午後3:20
車椅子で部屋に移動し、おやつのかぼちゃチーズケーキを完食。
分娩後ってどうしてあんなにお腹が空くんだろう? 昼ご飯もおやつも夜ご飯もとっても美味しかった!!
(分娩後に限らないかな? 出産後は胃の位置が下がったのか、久しぶりに空腹も感じて、入院中は毎食完食していました。特に白米なんかは結構な量出されていたと思うんだけど、毎回ペロリだった。)
友人や親族に出産報告のLINEをしながらのんびり過ごす。



分娩当日は新生児室で預かってもらえるので、この日の夜は自分のために使うと決めて、あらかじめリラックスグッズを準備しておきました。
友人がプレゼントしてくれたピローミストに、SKⅡのパック、蒸気でアイマスク、イヤフォン。
ダウンロードしておいたNo Time To Dieを聴き、イヤフォンでブラックリスト(海外ドラマ)を観ながらベッドに横になるも、分娩の興奮からかなかなか寝付けなくて、結局この日は一時間しか眠れなかった。

今日1日があっという間で、でも、ものすごく濃くて、新しい命が生まれて、私はその子の母にもなって、夫は父に、娘はお姉ちゃんになり、四人家族が誕生し、とても幸せだな、と。
ゆっくりベッドで横になりながら、そんなことを考えていました。



おわりに

今回の記事を書きながら、改めて当日のLINEなども見返して振り返ってみると、妊娠出産って特別なことなのかもしれない。
産まれた瞬間からその子の人生も家族としての未来もスタートするから、つい妊娠と出産は過去のものにしてしまいがちだけれど、そこに至るまでいろんな大変な思いや我慢をして。
産んでしまえば不思議とあの陣痛の痛みを思い出せないけど(めちゃくちゃ痛かったことだけは覚えてるけど)、命の誕生の瞬間だから、こっちも赤ちゃんも命懸けで必死だよね。
ちなみに、陣痛のつらさだけでいったら私は初産のときのほうがつらかったです。それは分娩時間が違うのもあるし(初産は27時間30分以上、今回は3時間45分弱)、初産のときはどこまで痛くなるのかわからなくて未知なものに対する恐怖心があったせいもあると思う。
あと、今回はとにかくソフロロジーの呼吸法を練習していたんだけど、それがかなり良かったと思う。陣痛のタイミングで呼吸を変えると、痛みが全然違って。
初産のときは『ほんとに呼吸で痛みが変わるの?』って半信半疑だったけど、信じて練習してよかった。

今回は誰の立会いもないなかで産む選択をしたけど、助産師さんや医師の方が優しく寄り添ってくれたので心細さはまったく感じなかったし、頼もしくて心強かったです。
産まれてきてくれた赤ちゃんも、見守ってくれた夫や家族も、寂しい思いをさせた娘にも、心から感謝です。
そして、自分もお疲れさま!



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射空かもめ
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。