アイスブレイクゲームとしての『かなカナどっちカナ?』〜YouTubeチャンネル【ロッキミマス】の誕生 コラム1
正解がないゲーム
私がロッキミマスの企画を最初に出した時に考えていたのは、アイスブレイク的なゲームだった。誰も知らない若手お笑い芸人のグループを誰が見てくれるのか。だったらまずは人と為を伝えなければいけない。
メンバーは養成所で一年間を共にして、すでにお互いを知ってはいるが、学校が終わってからはバラバラに活動している状態で、特別に仲が良くなければそれほど深く知り合っているわけではない。
そこで考えたのが正解がないゲーム、一人ひとりの中に正解があるゲームだ。実際にやったのは『語感deゲーム!かなカナどっちカナ?』だった。
原型は私が過去に考えていて、すでにあったゲームだが、議論をして自分の意見が変わってもいいというのは、今回の収録で少しアレンジした部分だ。
コミュニケーションの糸口として
もっともこれはやってる側にとってお互いの理解は深まるが、見ている人たちにそれが伝わるかはわからなかった。だから方向性としては、学校や職場でコミュニケーションに悩んでいる人たちがいたら、こういうゲームあるよ、ちょっとみんなでやってみたら?という感覚で、このゲームの紹介ができたらいいな、と思っていた。この動画を多くの人が見てくれたら、学校や企業のアイスブレイクに一役買えるんじゃないかという思いもあった。
これはロッキミマス第1回動画の企画となった。再生回数は2024年10月時点で約680回と、たくさんの人が見るには程遠い状況ではある。
またこの回はやっているメンバーが流れでさらにアレンジを加えていて、「全員が一致したら正解」というルールになってしまっている。ゲームを始めたら結論がほしくなるのは当然なのだろうが、先に話したゲームの趣旨は変わってしまった。
ゲームの趣旨に近い形で進行したのが、少し時間をおいてアップした第12回だ。実はこれがロッキミマスの一番最初の収録回だったのだ。見ていただくと出演者もエンジンがかかっていないのがわかる。
しかしゲームの流れは私のねらいに近い。同じ「ひらがな」の意見でも感じているものに違いがあったり、意見を戦わせる中で考えが変化したりもしている。そして独特な感性を吐露する人も現れる(ひらがなは「気持ち悪い」など)。
自分と他者が違うことを知る
ゲームを通して、同じ言葉やオノマトペを使っていても、人間はそれぞれ感じ方が違うんだというのが認識できているのだ。この気づきは他者とコミュニケーションを取る上で重要な気づきだ。この動画はお笑い芸人がやっているので、ちょっとお笑いのコンテクストでの盛り上げ方が強く出ているが、アイスブレイクのゲームとしてやれば間違いなくチームワークの強化になると思っている。
そんな使い方で遊んでくれる企業や団体がないかな、と私は期待している。もし実際にやってみた方がいらしたら、ぜひご一報ください。