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最近読んでよかった本のはなし

気が向いた時や面白い本に出会えた時、Instagramに本を載せていると、ときどき、本紹介楽しみにしてます!とか紹介してた本面白かったです!とコメントもらえることがあって、それがすごい嬉しいのでもっとちゃんと本紹介したいな〜と思っていたのですが 今回そのモチベーションにピッタリな本があるので、ここで語らせていただきたいと思います。


水車小屋のネネ/津村記久子(毎日新聞出版社)

地元の書店で大好きな津村記久子の新刊を見つけたのですぐに買った。
この小説がよすぎて、同じ思いの人を見つけたくて色々な人の感想を一通り読んでしまったので(水車小屋のネネについて感想をSNSに載せている人たちは、ちょっと津村さんっぽい文章を書いていて、そこもなんか好きで)今私が自分の言葉で書けることはあまりないのだけど・・どうしても、私からも一言、最高だった!!!と言いたくて久しぶりにnoteを更新しています

18歳と8歳の姉妹が実家を出て、知らない土地へ行き、そこでの姉妹と、取り巻く人々(とヨウム)との40年間の暮らしを描いた長編小説。
衝撃的なできごとが起きたり、極悪人が出てきたりするわけではないけれど
人生の中で起こる良いことも、悲しいことも、困ったことも、まわりの人たちと助け合い、気にかけあいながら暮らしていく様子は、ただそれだけなのにとても尊くて美しくて なんかもう、これだよ!!!と思う
劇的ではない、淡々とした普通の日々の中にある、それを支える善意と想像力に気付かされる。

家庭環境など家族の問題、人間関係、仕事、外国人労働者のこと、いじめ、台風、東日本大震災、そして新型コロナウイルスまで 今を生きている誰もがどれかしらに遭遇したんじゃないかというできごとも小説の中で起きていて、その時々の登場人物たちのふるまいに、様々なことを考えさせられ、救われたような気持ちに。

本当に、やさしさと想像力に溢れた登場人物ひとりひとりが良くて・・・!
それぞれが、ちゃんと考えて判断して伝えられる人なところが、とても気持ち良い。
津村さんの小説は、いつも登場人物の思考を些細なことまで丁寧に描くところが好きなんだけど、それが存分に発揮されているな〜と思う。

具体的な部分は、キリがないのであとは読み終わった人と語り合いたい。
本当に沢山の人に読んでほしい。何かしらの賞とってほしい。教科書に載せたい。
やっぱり、大事なことは小説の中にあると思うし、小説の中から「これは自分にとって大切だ!」と思えるものを見つけられることが嬉しい。

ちなみに、40年間を見守るしゃべる鳥「ネネ」は音楽が好きなので(歌ったり踊ったりする)、小説内に出てくる曲のプレイリストを作りながら読んだりしたのだけど、ネネが歌ってる様子を想像して笑ってしまった。ネネはずっと最高なので鳥を飼ってる人も必読です。

もっとたくさんの曲が出てきます。
センスが最高な選曲

誰かに親切にしなきゃ、
人生は長く退屈なものですよ

18歳と8歳の姉妹がたどり着いた町で出会った、しゃべる鳥〈ネネ〉
ネネに見守られ、変転してゆくいくつもの人生――

助け合い支え合う人々の
40年を描く長編小説

毎日新聞夕刊で話題となった連載小説、待望の書籍化!

毎日新聞出版ホームページより



明るい方へ舵を切る練習/一田憲子(大和書房)

雑誌「暮らしのおへそ」編集長の一田憲子さんのサイトにて綴られた文章に加筆してまとめたエッセイ。一田さんのことは、このシリーズの前作「日常は5ミリずつの成長でできている」を書店で見かけ、正方形っぽい本の形と、装丁、ページの捲りやすさなど本のつくりに惹かれて手に取ったのがきっかけ(しかも中は大好物?の日記形式)。「日常は5ミリずつの成長でできている」を読んで、なんて自分にしっくりくるんだ!と感激した、大切な1冊なのですが、気が付いたら2作目が出ていました。
書かれている内容は、日々の暮らしのことを中心に、自分の内面と向き合って考えているようなことなど。自分の性格や性質について、よくない(と思っている)ところや人に指摘されたことまでとことん書いてくれるからこそ、深く共感できる。
いろんなことが怖くてついついネガティブに考えてしまうとか、人から指摘されたことが、その通りだなと思いつつずっと心に突き刺さっているとか。私か・・・?

仕事で何かを判断するときに、微妙・・でも一生懸命やってくれたし・・と「過程」を見てしまって、これは違う!とはっきり言えない話も、身に覚えがある。この話は、

波風を立てることが怖くて、つい判断があやふやになる。そんな自分を反省。きちんと本当のことを見極める強さが持てたらいいなあと思います。

明るい方へ舵を切る練習P64 より

と締められていて、だよね!!!と思った。
「いいなあと思います。」という柔らかい口調のおかげで、ス〜と自分に入ってくる。
料理の話や収納など日々の暮らしエピソードは、真似したい!と思うアイデアもいっぱいで手放せない1冊。

だからなんだ?と言われそうな、本の買い方

今回紹介した本は2冊とも、好きな著者でありながら事前に出版の情報を持っておらず、本屋で偶然出会ったのだけど、発売日に買いに行くワクワクとは違う、ラッキー!っていううれしさがプラスされた。その見つけた時の、わーい!っていうところから読書が始まっているような気がする。

だから、欲しい本を決めて買いに行くのも良いけど、とりあえず本屋に行って、売り場を見て欲しいものを見つけることがやっぱり好きだ。
本屋に行くことは、畑の様子見てくる、みたいな感じ。

※北海道は書籍や雑誌の入荷が遅いので、発売日に買いに行っても大抵置いてないし、書籍に関しては何日遅れで入荷するかが曖昧なので(だいたい1日遅れだけどそうじゃないこともある)一般的な発売日を信じているとガッカリする、というのをわかっていたので発売日を意識するのはやめた
※本屋で働いてたのに出版情報わかってないの?→直近は書籍売り場の担当ではなかったので細かい入荷情報は把握していませんでした


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