葦のずいから
日は黄金の薔薇 死んだ薔薇
うるしの黒の仏間に似合うよ
ぽくぽく木魚の春の日などに
そうした想いがしきりであります
せむしの軍勢ちよろちよろ行き交い
眼の高さだけの風はそよそよ
うたて うたて とラッパも鳴ります
吹き手は サボテン
ラ ラ 悲しもの春景色
空には空で藪があり
がらがら蛇はかくれ蓑着て
只今 ゆるゆる 巡察中
日は黄金の薔薇 死んだ薔薇
トヨアシハラの チイホアキの
いちめんのモヤの そのむこうに
ちよつぴり見える あれか アラララ?
初出不明
詩集『浮燈台』(書肆ユリイカ*1951年)
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