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帰去来の詩
帰りなん いざ
きまってらあ ふるさとへよ
ゆく手 あかねの空の下へよ
帰ろうよ 君 楚歌ごうごうだ
帰りなん いざ
朽ちたその火殻(ほがら)の白さで
またぜろだよ ぬうどさ ぬるだよ
背水の陣で 川ッ風 蕭々 か
帰りなん いざ
田園へね ──── 瘦せていくアジアの
みみずッ子が ひきかえるが
ぼうばくと盲いていくんだよ
帰りなん いざ
伊達・気取り・強がりなどは止して
ばくばくと無涯の砂漠を
シャッポまぶかに 帰ろうよ アジアへ
詩集『浮燈台』(1951年11月*書肆ユリイカ)
詩集『海がわたしをつつむ時』(1971年5月*鳳鳴出版)再録
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そう。祖国へ、故郷へ、帰らなければならないのは2022年の今も。