望 郷
あそこだ 沖だ その向うだ
水天彷彿 青一髪
埃と水のカクテールだ
あそこにしか わが ふるさとはない
正反合のゆく末のずってんてんのそのさきの
スイツチのある 銀河ゾーン・・・・・・
その投影をば青写真にして
天のボタンに目印のバツテン
さて それがすめば あとは 娑婆々々
ダルマの如しだ 風 蕭々
なに 革命だ? ゆうらゆら
なに 戦争だ? ゆうらゆら
まあ 見るがいい 泣きの渚で
水天彷彿 青一髪
埃と水のカクテールだ
あそこにしか わが ふるさとはない
詩集『浮燈台』(1951年*書肆ユリイカ)