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腕は東西 十字のうた
槍は南北 致命のきず
わが身は天地の間に串刺し
したたるものは 血に 涙

おう されば それなしたたりに
白薔薇も咲け 紅薔薇も咲け
わが身ざくろの裂け目には
うどんげの花も咲いてくれろよ

腕は東西 十字の詩
槍は南北 致命の創
べんべろりんの舌を垂れて
あえげば秋は 眼にしみるわい

     詩誌『駱駝』30号(1954年2月)

優曇華の花 (読み)うどんげのはな
世界大百科事典(旧版)内の優曇華の花の言及
【優曇華】より
…仏教の経典では仏や仏の教えに遭いがたいことのたとえとして常套的にこの語が用いられている。仏教の伝来とともに日本にもこの語は伝わり,〈優曇華の花〉として一般に稀有なことがらのたとえに用いられる。【吉岡 司郎】 クサカゲロウ科の昆虫の卵は日本では一般にうどんげと呼ばれる。…

出典 コトバンク


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