isomix

磯見 大/映像演出家 フリー 東山堂「披露宴」「マジンガー課長」「#ウイイレまたやろーぜ」「ビズリーチ」「キャリトレ」「夏疾風」「#離れていても」「 #みんなでユルネバ 」もお手伝い。 FC東京と古い車とねこが好き。FIAT500F1967→W123TE1985。

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磯見 大/映像演出家 フリー 東山堂「披露宴」「マジンガー課長」「#ウイイレまたやろーぜ」「ビズリーチ」「キャリトレ」「夏疾風」「#離れていても」「 #みんなでユルネバ 」もお手伝い。 FC東京と古い車とねこが好き。FIAT500F1967→W123TE1985。

マガジン

  • 青赤短編 REMASTERD

    「そのとき、そこで、起きていたかもしれないフィクション」 これは、かつて私isomixが行なっていた、FC東京のゲーム1試合につき1篇、その試合から発想した小説や散文を執筆するという謎の試み「青赤短編」から、特に気に入っている作品をピックアップし、まとめていくためのマガジンです。 2011年3月から2014年6月までの間、blog形式で行なっていたこの活動。 トータル158篇も書きながら長らく放置していましたが、10年が経った今、アーカイブ的にnoteの形で残していくことにしました。 過去の自分と向き合う気恥ずかしさはありますが、更新出来る部分は加筆修正しつつ、新たに表紙画も添えて。 ま、どうか”お暇つぶしにどうぞ” 不定期に少しづつ更新していくつもりです。 原版はこちらでお読みいただけます。 http://tokyo-monogatari.cocolog-nifty.com/blog/

  • みんユルクロニクル

    「みんユルクロニクル」Jリーグの中断期間中、FC東京サポーター有志がTwitter上で集まり、クラブのアンセム「You'll Never Walk Alone」(FC東京サポーターは、愛と親しみを込めて『ユルネバ』と呼びます)を歌った動画、#みんなでユルネバ 通称「みんユル」が完成するまでの軌跡を描いた制作日誌です。

最近の記事

宇宙の果てから、悲しみの歌を。

青赤短編REMASTERD Vol.6 2012年10月6日 J1リーグ 第28節 カシマサッカースタジアム 鹿島アントラーズ 5-1 FC東京 https://www.fctokyo.co.jp/game/2012100603 短編小説/3192文字 宇宙の果ての果ての、そのまた果ての、ある辺境の惑星。 2つの青白い月の光に照らされた荒野の真ん中に、崩れかけた廃虚がありました。 銀色のドーム屋根は崩れ落ち、金属で出来た建物の半分は金色の砂に埋まっています。 その廃虚

    • マッチデー売りの少女

      青赤短編REMASTERD Vol.5 2011年5月22日 Jリーグディビジョン2 第13節 FC東京 1-1 湘南ベルマーレ https://www.fctokyo.co.jp/game/2011052206 短編小説/4084文字  アヤコは、スタジアムのコンコースに立っていた。  右手に薄い小冊子の見本を持ち、左手にはその小冊子が詰まったトートバックを下げている。  雨の味の素スタジアム。  今日は15000人ぐらいかな、とアヤコは思った。  味スタのコンコ

      • センス・オブ・ディスタンス

        青赤短編REMASTERD Vol.4 「俺、明日出発するわ」  ゲストハウスの屋上でガンジス川を見下ろしながら、僕は辿々しい英語で言った。  太陽の最後の残りがちょうど消えた直後のことだった。赤い太陽の世界から青白い月の世界へ。月がやたらと大きく見えて、地上からの距離が妙に近く感じられる。月の光は薄い雲にディフューズされて、辺りを乳白色に照らしていた。  その光のおかげで、おおよそ秩序などというものとは無縁な、混沌としたバラナシの街が不思議と平等に見える。 水面から

        • After, After the Rain

          青赤短編REMASTERD Vol.3 2014年4月6日J1リーグ 第6節 味の素スタジアム FC東京 2-1 サガン鳥栖 https://www.fctokyo.co.jp/game/2014040607 短編小説/3294文字 雨は嫌いじゃないって思ってた。 青空よりも曇り空か雨空の方が好きだった。 だけど、今日のこの雨は目障りで、耳障りだ。 あたしは部屋の窓から、雨の中を歩いて去るあの男の背中を見ていた。 さっきまで、恋人だった男。 窓の外の景色が、あの男の

        マガジン

        • 青赤短編 REMASTERD
          5本
        • みんユルクロニクル
          18本

        記事

          八角と油葱酥

          2014年3月23日 J1リーグ 第4節 味の素スタジアム FC東京 0-4 川崎フロンターレ https://www.fctokyo.co.jp/game/2014032309 短編小説/2258文字  その魯肉飯屋の親父は俺に向かって言った。 「おい、日本人。シケたツラしてるんじゃねえ。こっちまで気分が暗くなるだろうが」  俺は銀色のスチールテーブルに肘をついて街を眺めていたが、その声に振り向いた。禿頭にたっぷりと口髭を生やした親父が、妙に鋭い目つきでこちらを睨みつ

          八角と油葱酥

          ハイウェイバスの進路

          2013年5月25日 J1リーグ 第3節 鹿島アントラーズ 3-2 FC東京 https://www.fctokyo.co.jp/game/2013052507  短編小説/17746文字  敦之は激しい怒りに身を震わせながら、スタジアムを後にすると、高速バス乗り場へと急いだ。  煩わしい人混みが、更に彼を苛立たせる。こんな場所にはもう1秒だっていたくない。スタジアムからはまだ、ホームチームが勝利を祝う歌声が響いていて、敦之は思わず目を閉じた。そんな風にして歩いていれば

          ハイウェイバスの進路

          みんユルクロニクル #18 『ある雨の日に』

          ※前回までのお話はこちら。みんユルクロニクル#17『THE DAY』 2019年12月7日 土曜日 午前9時  それは、寒い寒い雨の日だった。  ぼくは手に入れたばかりの車に乗って、第三京浜を走っていた。フロントガラスに雨粒が叩きつけ、この先が思いやられたけど、不思議と気分は悪くなかった。状況はかなり不利。それでも、その事自体が開き直れる理由になっていた。案外、奇跡みたいなものが起きるとしたらこんなロクでもないシケた日なのかも知れない、と。  久しぶりに妻が、自分も行

          みんユルクロニクル #18 『ある雨の日に』

          みんユルクロニクル#17 『THE DAY』

          ※前回までのお話はこちら。みんユルクロニクル#16『ぼくらの作りたかったものは』 2020年6月4日 水曜日  みたけさんからのDMで始まる朝。もう何日目になるのだろう。思えば6月4日とは、色々な偶然が重なった日だった。Jリーグ再開のジャスト一ヶ月前であり、中断を発表して100日目の日でもあったらしい。さらに言うと、久保建英の誕生日でもある。  これを書いている今、Jリーグの優勝は既に決まっている。既にシーズンは終盤に差し掛かり、我らがFC東京は連勝も連敗も味わい、それ

          みんユルクロニクル#17 『THE DAY』

          みんユルクロニクル#16 『ぼくらが作りたかったもの』

          ※前回までのお話はこちら。みんユルクロニクル#15『Closer to the Edit』 最後の1日6月3日 火曜日 8:30   いよいよ公開前日。  泣いても笑っても作業できるのは今日1日しかない。残った作業は大きく3つ。連絡のとれていない4名の方を追いかけ、素材の再送をお願いすること。その方々も含め、リストから抜け落ちた素材を編集に入れ込むこと。さらに、スタッフロールを完成させることだ。最初の2つをコンプリートするには獣さんからの連絡返答待ち、3つ目に関してはoo

          みんユルクロニクル#16 『ぼくらが作りたかったもの』

          みんユルクロニクル#15 『Closer to the Edit』

          ※前回までのお話はこちら。みんユルクロニクル#14『集積と構築Ⅳ:午前3時の路上』  なぜ、そのことが起こってしまったのか。  それは未だにわからない。原因を探ることはもはや出来ないし、それをしたところでまったく意味などない。今となっては起こるべくして起こった、としか語る言葉がない。誰に責任があるわけでも、誰かがミスをしたわけでもない。一つだけ間違いないことは、僕らが気づくよりもずっとずっと前から、その問題はそこに存在し続けていた。時限爆弾のように常にそこにあり、静かに、

          みんユルクロニクル#15 『Closer to the Edit』

          みんユルクロニクル#14 『思索と構築Ⅳ:午前3時の路上』

          ※前回までのお話はこちら。みんユルクロニクル#13『選択と構築Ⅲ:冒険者たち』 もう少しマシな理由2020年5月30日 土曜日  この日も朝から渋谷へ。今週はずっと同じ場所に通いっぱなしだった。一応おれは会社員なのだが、日々違う場所で作業をしているので、毎日同じ場所に通う生活、というのは割と新鮮だった。昨日の宿題であるオープニングの方針は、当然のことながらまだ決まっていなかった。  よく、クリエイターのインタビューなどを読んでいると、日常のふとした時になにかを思いついた

          みんユルクロニクル#14 『思索と構築Ⅳ:午前3時の路上』

          みんユルクロニクル#13 『思索と構築Ⅲ:冒険者たち』

          ※前回までのお話はこちら。みんユルクロニクル#12 『思索と構築Ⅱ:編集者と演出家の対話』   もしかすると、意外とお気づきの方は少ないかもしれないが、みんユルでは参加者の映像と名前が紐づかないように徹底的に配慮している。著名人であるゆりかるさんや、攻劇さんのような特殊なケースを除いて、画面上に映っている人物がどなたなのかを結びつける手がかりを作らないようにかなり気を使って制作を行っていた。  これは応募期間中に、参加希望者の方から挙がった、顔と名前が一致してしまうのは不

          みんユルクロニクル#13 『思索と構築Ⅲ:冒険者たち』

          みんユルクロニクル#12 『思索と構築Ⅱ:演出家と編集者による対話』

          ※前回までのお話はこちら。みんユルクロニクル#11『思索と構築Ⅰ:みんなそこにいた』 2020年5月28日 木曜日 isomix:「あのさ、編集のプランなんだけどさ」 Editor:「ああ、どうやってきましょっか?」 isomix:「基本的にはさー、全篇、歌ってる人の映像だけでつなげてこうかなって思ってるんだよね」 Editor:「え、どういうことっすか?」 isomix:「うんとさ、これ、いわゆるサッカーファンの映像じゃん?」 Editor:「まあ、そっすよね」 iso

          みんユルクロニクル#12 『思索と構築Ⅱ:演出家と編集者による対話』

          みんユルクロニクル#11 『思索と構築Ⅰ:みんなそこにいた』

          ※前回までのお話はこちら。みんユルクロニクル#10『COME ON EVERYBODY』 Roll Camera!2020年5月25日 月曜日 11:00  ある種の祭りのような状況から一夜明け、ぼくを待っていたのは通常業務だった。この日から3日間ほど、MV(ミュージックビデオ)の編集のために編集室に篭ることになっていた。最終的に完成するとこうなることになる、こちらの仕事はこちらの仕事で、お祭りのようになることが決定していて、奇しくもこの週は祭りを掛け持つような形になって

          みんユルクロニクル#11 『思索と構築Ⅰ:みんなそこにいた』

          みんユルクロニクル#10 『COME ON EVERYBODY』

          ※前回までのお話はこちら。みんユルクロニクル#8『青と赤の旗の下に』 SELF CONTROL2020年5月21日 木曜日 12:30  みんなでユルネバ KIMIKA Special ver.が公開されてから30分後、ちーかまさんが起きてきた。  ※ちーかまさんがTwitterアイコンを変更されたため、この回からリンクとスクショで違うアイコンになっています。ぼくらがこの時やりとりしていたのは、例のおっさんではなく、鍵盤にドロンパのちーかまさんになります。  プロのシン

          みんユルクロニクル#10 『COME ON EVERYBODY』

          みんユルクロニクル#9  『青と赤の旗の下に』

          ※前回までのお話はこちら。みんユルクロニクル#8 『DIVA』 2020年5月20日 水曜日 10:00  ぼくは普段、基本的に広告の映像を作って飯を食っている。CMやWEBムービーをつくる場合、ぼくの仕事は、通常、演出コンテを描くところからスタートする。演出コンテとは、カット割りやカメラアングルだけでなく、演技、美術、セリフ、効果音、タイトルなど、映像を構成するあらゆる要素が記載された、言ってみれば、映像の設計図のようなものだ。ちなみにこんなやつ。  この微妙な演コン

          みんユルクロニクル#9  『青と赤の旗の下に』