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12/17【R】Re: Re: Re: STARTを待つ間に -18日目

文章を書く習慣を取り戻したくて、11/30からABCを頭文字にしたエッセイを毎日書いています。(予約投稿の場合もあります)

#26文字のアドベントカレンダー

長いこと生きていると、好きだった作家、漫画家、歌手、アイドル、バンドなどの、引退や解散に出会うことが1度くらいはあると思う。
私の場合、それはSURFACE(サーフィス)だ。

SURFACEは、ボーカルの椎名慶治とギターの永谷喬夫による男性2人組の音楽ユニットで1998年にデビュー。デビュー当初、ドラマ『ショムニ』の主題歌「それじゃあバイバイ」や、アニメ『まもって守護月天!』の主題歌「さぁ」など、タイアップに恵まれていた。
正直なところ、デビュー当時の彼らには特に興味があったわけではなかった。ただ、曲が耳に残るな、くらいの感想だったように思う。

そんな私が本格的にSURFACEに出会ったのは、2000年ごろだった。TSUTAYAで友達に勧められたB'zやMr Childrenの曲を探していて、あと1枚借りると割引になるという状況で、「B'z好きにおすすめの二人組男性ユニット!」という形で紹介されていたのが彼らの6枚目のシングル「君の声で 君のすべてで…」だった。
前知識何もなしで借りたCDだったのに、当時先輩に片想い中だった自分の心情に完全に重なってしまった。B面の「まぁいいや」もまたいい曲で、すっかりハマってしまった。

そこから次々にSURFACEのCDを借りて聴きまくった。ポップな曲もバラードもすべてが心に刺さり、気付けばSURFACEの楽曲の虜になっていた。

特に元気な歌詞の曲は気に入って何度も何度も繰り返し聞いた。
飾らない言葉でありのままの自分を肯定し、バーンと背中を叩いてくれるようなメッセージが刺さりまくった。自分の中にある小さな悩みや不安が少しずつ軽くなっていくような感覚があった。

しかし、3rdアルバムあたりから徐々に歌詞のトーンが変わり始めた。明るく前向きだった歌詞に、どこか悩みや迷いがにじむようになってきたのだ。それでもその変化も含めてSURFACEの魅力だと思っていたし、むしろ高校から大学に進学した時期だったので彼らの葛藤に共感する部分が増えていった。

そんな中で、2008年に発売された「Re:START」という曲は、今でも私の中で1、2を争うほど好きな曲だ。

構わないって破り捨てた
過去も繋ぎ合わせて無茶で無謀なその先の夢を掴む地図を描け
こんな僕だけど一緒に行かないかい
決して楽じゃないが最高の世界

揺るぎ無い想いを込めて
君へと送りつける「START」
僕の元に届いた文字は「Re:START」ってなんか笑えた

君さえいれば恐くないんだよ
決して楽じゃないとしても

Re:START(SURFACE / Uta-Net)

メールのタイトルを「START」で送ったら返信が「Re:START」になっていた、という部分。
ただの始まりではなく、再スタートなんだ、と自分に言い聞かせるようなこの歌詞。当時の私の悩みに重なって、うわぁこんな表現があるのか!と心震えた。

ところが2010年、彼らは惜しまれつつ解散してしまう。
その後、それぞれソロで活動を続けていたが、正直に言えば、どちらもあまりハマれなかった。
「ああ、自分は"SURFACE"が好きだったんだな」と、そのとき改めて思い知らされた。
そして、もう二度とSURFACEの新しい楽曲を聴くことはできないのだろうと、少し寂しい気持ちになった。

ところがその後、思わぬところで彼らの曲を聴くことになった。
2015年のキングオブコントで、コロコロチキチキペッパーズが決勝でSURFACEの楽曲「さぁ」を使っていたのだ。

使われ方についてはファンとして「んん??」と思うところもあったが、久しぶりにテレビで「さぁ」を聴けたこと自体は正直嬉しかった。
ボーカルの椎名さんも後にTwitterで最初は無断使用に困惑したが、後に和解したと書いていた。

そして、そんな私のもとに朗報が届いたのがその後2018年のこと。
デビュー20周年を迎えたSURFACEが、なんと再始動を発表したのだ。
彼らは「Re:START」のさらにその先、まるで「Re:Re:START」とでも言うべき形で帰ってきた。そして、新曲を発表。迷わず購入した。

現在、またSURFACEは活動が少し落ち着いているけれど、私は密かに次なる「Re:Re:Re:START」を待ち望んでいる。
そして、また彼らの音楽に励まされたいと思う。


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