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蕎麦物語

蕎麦物語


蕎麦。

日本が生まれたよりもずっと前からの大先輩。

いや、大大大大大先輩。



起源を辿るとヒマラヤ近辺の中国から九州経由で広まったとかなんとか。



まぁ、そんなことは頭の片隅にでも置いておいて、

縄文時代から食べる習慣の生まれたこの蕎麦。

日本人の国民性なのか変態性なのか

探究心なのか好奇心なのか。


日本各地に広がった蕎麦文化。

その地質、水、気候で作られ職人達の手により作られる。

まさに食べる芸術。食べるまでがアート。


だからこそ、蕎麦を頂くことにはいつも以上に心を整える。

注文を終えてからの時間は、蕎麦と出会う前の心の準備。


人間界でいうならば、デート前の身支度とでもいうのだろう。



この十数分が都会の喧騒で乱れた心を整えてくれる。

あぐらをかき、背筋を伸ばし、目を瞑る。

「お待たせ致しました。」


心の中では、待っていませんと答える。


器に盛られた綺麗な蕎麦。



おっとその前にバンドメンバーの紹介を。



ドラムス、日本酒。

ギター、焼き海苔。

セカンドギター、葱。

ベース、山葵。

パーカッション、醤油。

バイオリン、蕎麦つゆ。

ピアノ、お塩。

サックス、蕎麦味噌。

お客さん、お冷。


どの組み合わせでも、蕎麦を引き立たせる天才たち。

蕎麦というボーカルを色んな組み合わせで楽しめる。

これが蕎麦のいちなんの良さ。


天ぷらという最高のコーラスが加わったり、

鴨というDJが加わったり、

とろろというダンサーが加わったり。


そうなのです。

蕎麦はライブなのです。


始めは、蕎麦と塩から始まり

山葵や海苔を楽しみ

あ~美味いな〜と思ったら日本酒で一旦終える。


そして、次の曲へ。

ボーカルの蕎麦無しでバンドのみの編成に高まる。

味編。



盛り上がってきたので、

日本酒と蕎麦味噌で口の中(フロア)をあたため、

お冷を確認し、蕎麦と塩で最高の味を奏でる。

そして、海苔のソロを堪能し、山葵とセッション。

そこにボーカルの蕎麦が脳天を貫く。

優しく塩と蕎麦つゆがこの歌を結ぶ。




蕎麦食って、

塩舐めて、

酒飲んで、

蕎麦味噌食べて、

酒飲んで、

葱食って、

蕎麦つゆ舐めて、

山葵食って、

蕎麦つゆ舐めて、

蕎麦食って、

海苔食って、

醤油舐めて、

蕎麦味噌食べて、

酒飲んで、

お冷でリセットして……



うん。

蕎麦って忙しいんです。

頭の中で色んな組み合わせを楽しんで、

迷い箸をしないように、その瞬間瞬間食べたい!

という欲に導かれるものなのです。

片手で持ち上げられそうな蕎麦にこれだけ趣味趣向が詰め込まれている。

まさに掌で転がされるとはこの事。




最後に包まれるは、蕎麦湯。

もはや、アンコール。

ソバライブに無くてはならないもの。

瞑想から覚め、蕎麦を食し、バンド達と楽しみ拍手喝采のライブを風呂敷で閉じるようなそんな存在。

だって皆が持ち運びやすいようにしてくれるのだから。

蕎麦湯は、心も身体も満足にしてくれる。





~最後に~

蕎麦は側に。


身近にこの美味しさを届けてくれる方々に感謝。

と共に、あーやっぱり蕎麦楽しいなって思う。

是非、蕎麦をこんなヤベー楽しみ方をしてみてはいかがかな!という

そんな蕎麦物語でござーした!

ご愛読ありがとうございます😊







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