【いそじまんの日記】書評Unlimited:イ•ミンギュ著「後回しにしない技術」
まだ寒さは残るものの季節はすっかり春の気配で、気持ちは新年度や新学期に向かっていますね。
「春からは心機一転、勉強も仕事も副業も…」などと、今から意気込んでいる人も多いことでしょう。
ただ、春には思いがけない落とし穴があります。そう、新学期や新年度が始まったと思ったら、すぐにゴールデンウィークという長期休暇が待っているのです。
多くのみなさんはここで長期の休みに慣れてしまい、結局5月病でいつものダラダラした生活に逆戻り…というのもよくあること。
行動ををついつい先延ばしにする「後回しグセ」は、一度身についたらなかなか離れられません。
誰でも「どうして 僕はこんなに意志が弱いんだろう」と落ち込んだ経験はありますよね。
こうした悪い習慣から抜け出す効果的な方法を教えてくれるのが、韓国で22万部の大ベストセラーとなった、この1冊。
すぐにやればいいとわかっていながらついつい先延ばしにしてしまうことが誰でも1度や2度はあるはず。
そんな私たち人間にありがちな「弱み」にどう対処していったらいいのでしょうか。
実行する力は「資質」ではなく「技術」で習得できる
この本で一番重要な考え方は、まさにこれに尽きるでしょう。
私たちは自分の後回しグセというものを克服するためには「意志の力」gたj必要だと思っていますが、それは間違いだと著者は言っています。
「どうして俺はなんでも三日坊主に終わってしまうんだろう?」
私たちの大部分がこうやって一度決意したことが続かないのを嘆きますが、意志力がなくてもトレーニング次第で誰にでも実行力は身につくのです。
そして、著者はこの「実行力」というものが、次の3つの要素からできているといいます。
以上、この本の要点をざっとまとめてみました。
しかしながら僕がこの中で最も心にササッたのは「教えることによって学ぶ」ことなのです。
いったいそれはなぜなのでしょうか。
教えることで人は最も深く学ぶことができる
みなさんは本で学んだこと、新しく習得したことをどれだけ自分の生活に活かしているでしょうか。
大学の研究室で一人部屋にこもって好きなことを突き詰めるのもいいかもしれませんが、それでは単なる自己満足に終わってしまいます。
SNSが発達した現代では、人はいいと思った商品やサービスを周りの人に知らせようとします。オンラインでの「口コミ」が発生するわけですね。
具体的行動:覚えたことをすぐ誰かに説明してみる
みなさんがいつもやっているこのアクションを、自分が実行したことや習得したことを周りに教えてみてはどうでしょうか。
人に説明しようとすると、自分の理解度がどれだけなのかがすぐにわかります。他人にわかりやすく説明するためには、自分がより深く知っていることが必要です。
このことを実践するだけで、私たちは今学んだことをより深く知ることができ、自分の成長を実感することができます。そしてまるで子供がいろいろなことを知りたがるように、自ら進んでもっと突き詰めたくなるのです。
こうした心から湧き出る欲求こそが、私たちを「三日坊主」のジレンマから救い出してくれる強力な原動力となるのです。
話す人がまわりにいないときは?
「いや、まわりに話せる人が見つからなくて」という人もいるかもしれません。
必ずしも友達でなくったってかまいません。職場の同僚と昼食を共にするとき、ちょっとした世間話のような軽いノリで覚えたことを説明してみればいいんです。
実際に話してみると、意外とうまい言い回しがが出てこなかったり、自分でもよくわかっていなかったことがはっきりわかったりします。
そこを自分でさらに調べて、自分のものにしていけばいいんです。
意志の力に頼らず、動かざるを得ない環境を作る
著者によると、自分の決意をまわりに宣言し「背水の陣」を敷いて自分を追い込むことによって、実行力を手に入れることをすすめています。
私たちの中には「人知れず努力して成果を出した後に発表して注目を浴びたい」といったプライドと自己承認欲求に取りつかれている人もいます。
しかしそうした「不純な動機」では実行へのモチベーションにはならず、結局誰にも知られないまま決心が薄れてしまうのがオチです。
本当に心から実行したいと思っていることがあるなら、それをまわりに宣言してしまいましょう。
また、もしそうしたくないというモヤモヤした気持ちがあるならば、そもそもそれが本当に自分がやりたいことなのか、自分に問いかけてみる必要があるでしょう。
編集後記
本日、58回目の誕生日を迎えました。
「還暦」のふた文字がヒタヒタと忍び寄ってくるのはちょっと複雑な気持ちですな。
コロナ禍の2年間は、ただひたすら健康の維持とよい生活習慣を身につけるのに必死でした。
過去20年間にわたって僕を苦しめてきたアトピーや不安神経症とも距離を置けるようになりました。
「人生100年時代」と最近よく言われますが、昭和時代なら引退する年齢からさらに成長できる機会ができたということ。
58歳からの僕は「第二の人生」としてワークとライフが一体となった「遊ぶように生きる生き方」を実践して行こうと思います。
今回紹介した「後回しにしない技術」は、お笑い界からYouTuberに華麗な転身を果たした「あっちゃん」こと中田敦彦氏の動画を見たことがきっかけで知りました。
この本の内容が実にテンポ良く簡潔にまとまっていて、思わず自分もとりかかってみたくなる内容です。
こちらの方も一度内容をチェックしてみてください。