日本人の食事摂取基準(2025年版)案 その5(策定の基本的事項)
今回は、報告書案の14〜17ページの約4ページ分です。
今回で「2 策定の基本的事項」が終わります。
2-6 策定した食事摂取基準
ここは文章が少なく、ほとんどが表になっています。
文章中でのポイントは「表の脚注に参考情報を書いてるよ」って部分です。2020年版から各栄養素基準値の表の脚注が盛りだくさんになりました。理由は表がひとり歩きしても大丈夫なようにだったかな?
表4では、どの栄養素にどの指標が策定されているかが分かります。
脚注に1.2.3やa.b.cがあります。よーく見てください。
変更点は色々ありますが、
ビタミンB12は推定平均必要量があったのに目安量になってるし。
鉄とビタミンCはxからbに変わったし。
ビタミンB1もcからbに変わったし。
ヨウ素はaからbになってるし。
他にも、、、
変更箇所は各論を見る時にどう変わったのか意識して読むと良いかもですね。
2020年版も参考に貼り付けてますので、見比べてみてください。
表5.6もよく見るとちょくちょく変わってます。
正直、2015年版まではあまり見たことなかったけど、よく見ると推奨量算定係数と不確実性因子なんでこの値なん?前回と結構違うやつあるけどなんで?って思うところがあります。
こちらも参考に2020年版も貼り付けときます。見比べてみてください。
2-7 ライフステージ別の留意点
●妊婦・授乳婦
摂取不足の回避も耐容上限量も妊婦・授乳婦のことだけでなく、胎児の発育のことも考える必要があります。耐容上限量は策定されていないからと言って多量に摂取しても健康障害が生じないことを保障するものではありません。
授乳婦では泌乳量の信頼度が高いデータがないため、哺乳量を泌乳量として用いています。
目標量では、娠高血圧症候群や妊娠糖尿病妊婦の目標量を設定する必要性と、そうした目標量を適切に設定できるかについて詳細な研究が必要なため、今後の課題となっています。
●乳児
推定平均必要量の策定が出来ないので、基本的に目安量が策定されています。
また、基準哺乳量が0.78 L/日と設定されています。
6〜11ヶ月の離乳食が始まってからの時期は、栄養摂取量のデータが乏しいので「0〜5ヶ月」と「1〜2歳」の値から外挿されています。
6〜11ヶ月の食事調査って、想像しただけで激ムズ。離乳食の栄養価や食べこぼし量の把握、保護者の負担大など。
0〜5か月と6〜11か月は成長が著しい時期なので、各月齢区分に与えられた値はあくまでも代表する一点に過ぎないので、対象とする乳児の成長に合わせて柔軟に活用することが望まれます。
●小児
十分な資料が存在しない場合は、成人の値から外挿しています。
小児は成人から外挿して策定している栄養素が多いイメージです。小児の食事摂取基準の信頼性(?)ってどれくらいなんやろう。成人と比べたら信頼性は少し落ちるのか?
耐容上限量に関しては、情報が乏しく、算定できないものが多いが、多量に摂取しても健康障害が生じないことを保障するものではありません。
●高齢者
咀嚼能力の低下、消化・吸収率の低下、運動量の低下に伴う摂取量の低下、何らかの疾患を有していることなど、個人の特徴に注意を払う必要があります。
●お疲れさまでした〜
総論は全部で5つの章があります。
1 策定方針(3ページ)
2 策定の基本的事項(15ページ)
3 策定の留意事項(7ページ)
4 活用に関する基本的事項(24ページ)
5 今後の課題(2ページ)
今回で「2 策定の基本的事項」までが終わりました。
次回から「3 策定の留意事項」に入ります。
策定に関する章は3章までです。
ひとつひとつ丁寧に見ていくと「こんなこと書いてんだ」って思うこともありますね。
総論を見ずに、各論から読むと理解するのも大変そうだなと思いました。読む順番は総論→各論の方が理解もしやすいですね。当たり前か。
では、また次回〜。
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