日本人の食事摂取基準(2025年版)案 その11(指標別に見た活用上の留意点)

今回は以前記載したものと同じ内容の部分が多いので、大切だと思う部分だけ抜粋します。

4-3 指標別に見た活用上の留意点

●推定平均必要量

推定平均必要量は、
個人では不足の確率が 50%であり、
集団では半数の対象者で不足が生じると推定される摂取量であることから、この値を下回ったら問題が大きいといえます。
しかし、その値の問題の大きさは栄養素ごとに異なり、下記a〜cの3つ分類されています。

a 集団内の半数の者に不足又は欠乏の症状が現れ得る摂取量をもって推定平均必要量とした栄養素:問題が最も大きい

b 集団内の半数の者で体内量が維持される摂取量をもって推定平均必要量とした栄養素:問題が次に大きい。

c 集団内の半数の者で体内量が飽和している摂取量をもって推定平均必要量とした栄養素:問題が最も小さい。

このabcは下記の記事で示した表4に記載されています。

●指標の特性等を総合的に考慮

指標の特性や示された数値の信頼度、栄養素の特性、対象者や対象集団の健康状態や食事摂取状況などによって、活用においてどの栄養素を優先的に考慮するかが異なります。
そのため、これらの特性や状況を総合的に把握し、判断する。

食事摂取基準の活用の狙いとしては、
エネルギー摂取の過不足を防ぐこと、
栄養素の摂取不足を防ぐことを基本
とし、
生活習慣病等の発症・重症化予防を目指す。

●お疲れさまでした〜

推定平均必要量のabcの分類は
分かりやすいなーと思います。

しかし、実際bcの場合、どれくらいの問題の大きさなんだろうか。
例えば、鉄(b分類)で推定平均必要量を少し下回っていても、貧血の症状がなければ今のところ問題はなさそう、という判断で良いの?
栄養管理する際は、推定平均必要量を超えて推奨量に近づけるよう計画するんだろうけど。

総合的に考慮っていうのが難しいなー。


あと、2025年版ではビタミンB1がcからbに変わり、数値的にも結構下がりました。
日本では栄養素の欠乏症をあまり聞くことがないので、もし全ての栄養素がa分類なら、かなり数値が下がるのか?と思ったり。
abcそれぞれの間にはどれくらいの数値の差があるんだろうかと疑問に思います。

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