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最後まで舞う桜【滝沢歌舞伎ZERO FINAL感想】
滝沢歌舞伎ZERO FINALを観ました。
多くの人が熱狂し、愛し、感動してきた『滝沢歌舞伎』。
今や国民的グループに成長しつつあるSnow Manが主演・演出を務め、その注目度はめちゃくちゃ高かったと思います。
今回はライブビューイングではありますが、せっかく何度も観たのだからと、重い腰を上げて感想をnoteに残しておくことにしました。
勢いと熱量でなんとか書き上げた結果、4000字超えました。許せ。
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筆者の情報
・ファン歴5ヶ月くらい。新規。FC入会は今年1月末。
・最初の推しはあべちゃん、現在の最推しは舘様。
・滝沢歌舞伎は約1ヶ月半前、フォロワーさんのご厚意で『滝沢歌舞伎 ZERO 2020 The Movie』DVDを鑑賞済。
・歌舞伎はほとんど詳しくない。
・今回は完全ライブビューイング勢。計3回鑑賞。(1回目は映画館の後方席、2回目は前方席、3回目は後方席上手寄り)
ひらりと桜
私はわかりやすくエモい音楽が好きなので、『ひらりと桜』は観劇前から楽しみにしていた演目。
そういえばずっとYouTubeにある『ひらりと桜』を観ていたので、ラウールの歌声の成長度合に驚いていました。そんな低い芯の通った歌声出るんか……
まあラウールの成長に驚くのは今に始まったことじゃないけどな。
フォーメーションがよきでした。ユニゾンの2人ずつで目を合わせながら歌うのが最高。
(だてさく、あべめめのペアが特に)
気になっていた「どんな衣装なのか」問題。ファイナルは白でしたね。個人的にSnow Manは青が似合うグループだと思っています。でも白もいい。
一緒にライビュを観ていた友人いわく、「あべちゃんのスーツは裾が短くて、舘様は裾長いのが『わかってるね』って思う」とのこと。うーん、たしかにわかってる。あべちゃんは巨人3人(180センチ超えのいわめめラウ)に隠れてるけど腰めっちゃ細くて脚も長い最強スタイルなんだよ。みんな知ってる?知ってるよね、ごめん。
願わくば舘様の優雅な「天穿ち~♪(羽織りヴァサアァァァッ)」が見たかったです。オタクは欲深い。
ひらりきらり 継ぐ夢を誇れ
桜吹雪 酔い踊れ
新たなる幕開けだ きらり いにしえの桜
きらり ひらり舞う桜
きらり ひらりと桜
仇討ち
いきなりかっこいい殺陣の演目。出演者は宮館涼太こと舘様、深澤辰哉ことふっか、阿部亮平ことあべちゃんの3人。
この演目は前の席で観たのがめちゃくちゃよかったです。3人での真正面での戸板倒しは迫力があり、風圧さえ感じられた。ディズニーシーの『ソアリン』で室内にいながら風感じられますよね?あんな感じ(説明が雑)。
あべちゃんの終始闘志に満ちた力強い表情が大画面で拝めたのも最高だし、舘様のがっしりとした腕の筋肉を余すことなく堪能できる衣装も最高でございましたよ。
あと。今まで気づかないふりしてたけど、ふっかこと深澤辰哉イケメンすぎません?顔をピッと上げるだけで画面を占領できる男だったんだね……。さらっとやりすぎて見逃してしまうけど、ふっかさんてスマートなのよね。スマートすぎて最推しじゃなかったらそのすごさ見逃しちゃうね。彼、なんでも当たり前みたいにやっちゃうから(誰目線)。
終始一貫してとにかくかっこいい『仇討ち』。舘様の激しい息遣いのラストシーン、あれは私を始めとした舘担得だと思うので着ボイスとかで配信してくんないかな。うん、気持ち悪いね。
あべちゃんのナレーションも優しい声で癒されました。
変面
歌舞伎とはいえSnow Man、多くの人は好きなアイドルを観に来ていると思う。顔を隠すパフォーマンスは、そういった点ではマイナス要素なのかもしれません。
しかし滝沢歌舞伎で受け継がれる演目『変面』は、そのディスアドバンテージを強みに変換する。そのくらいの芸の見事さです。
一瞬の間に変化する赤、青、オレンジ……Snow Manのメンバーカラー仕様(黄色以外)のお面。何よりも面が変わる一瞬、その見事さ。全く隙がない。
演じるのはひーくんこと岩本照。彼の隠せないほどの体格の良さ、鍛え上げられた肉体をさらに際立たせるタイトな青い衣装。
周りを囲う何枚もの鏡、ライビュならでは・近すぎるほどのカメラアングル。それなのに面が変わる瞬間を何度見ても、「今どうやって変わったの?」「どんな技を使ったの?」と毎回息を呑んでしまいました。
そして散々見事な芸を魅せられたあとの、岩本照の凛々しい表情。
ああやっと顔が見られた、その嬉しさ以上に、彼の表現者としての本気をその表情からビシビシと感じました。去り際の一瞬に面をまた付けるのもよい。
リーダー岩本照、流石の一言。
腹筋太鼓
こちらも滝沢歌舞伎といえば、の演目の一つ『腹筋太鼓』。
余計な説明など語るに及ばず。
ただただ、命を削っているな、と毎回観ながら思う演目でした。人間ってここまでできるんだな。それを体を張って証明してくれてありがとう。
*
和の舞台の立役者・宮舘涼太
Snow Manで歌舞伎といえば、この人を語らないわけにはいかないでしょう!
今年1月、ガチの歌舞伎に1ヶ月出演した宮舘涼太さんこと舘様。
なんかもう、歩き方立ち方がすべて「本物」。『滝沢歌舞伎ZERO2020』をDVDで観たときから、「舘様は『歌舞伎とは、時代劇とはこう立つもの』ってのがわかってるんだよな」なんて思っていましたが、やっぱり舞台上での振る舞いが頭一つ出ている。動き一つ一つ、小手先感が全くない。
何が彼を「本物」たらしめているのか知識が乏しい中考えたところ、やはり【首】なのではないかと思いました。9人揃っての見得(見得なのか?違ってたらすみません)はやっぱり一人だけ安定感が違うなと。
あの9人アベンジャーズのシーン(観た人は分かる)中で、センターに来るのはやっぱりこの人だなと。歌舞伎の演目『氷』、とてもよかったです。
早く大河ドラマで舘様が観られますように!!!!!!!!!
悲劇の美女・佐久間大介【櫓のお七】
女形の佐久間大介について語らせてくれ。
さっくんこと佐久間大介のお七(女形)。大画面で見てて泣きそうになった。
なんか心かき乱される。そもそも設定がすごい。「切腹を命じられた恋人を救うため半鐘を鳴らす悲しき女」。この時点でオタクしぬど。
そしてそれを演じる佐久間大介がもっとすごかったです。
もともとさっくんの女装は「もはや女性」と評されるくらい評判がよく、そこに悲しみが加わると破壊力がとんでもないんだが?
どうしてあんなに心乱されるのか、なんであんなに美しいのか?嘘みたいだろ、あれで腹筋バキバキなんだぜ。
よく男性がスンバラシイ女装してる姿見て「女辞めたい」っていう人がいるけど、さっくんのお七に関してはそういうんじゃないね。本物の女性と比べて女らしいとかそういうんじゃないんですよ。あれはもうお七という役を演じる佐久間大介、同時に佐久間大介演じるお七なのよ。
憑依型俳優ってわけじゃなくて、そこに「佐久間大介が演じる意味」を感じられたし、その全てを表現していたさっくんですわ。流石の一言。表現者としてレベルが高すぎる。
たぶん見た人なら分かる、あの胸を打つ半鐘とやぐらの下に真っ赤に広がる着物の裾、あの何とも言えないけたたましさ。間違いなく歌舞伎オムニバスのハイライト。心を抉る。さらに一緒に見ていた友人いわく、「半鐘を鳴らす前に手を合わせるのがいい」。うーん、完全同意。
そんな胸をかき乱す演目『櫓のお七』、体感5秒。実際3分もない。もっと見たかったです……。うえええええええあ
*
組曲・花鳥風月
『滝沢歌舞伎 ZERO 2020 The Movie』DVDを観たとき、特に印象的だったこの2つ。演目にあって本当によかったです。
とくに花鳥風月の方はずっと観ていられる。ラウールが毎回口ずさみながら踊っていて、噛み締めている感がエモい。終わってほしくねえ~とパフォーマンス中4726833回は思いました。
*
以上が特に印象的だった演者・演目の感想です。
ここからは『滝沢歌舞伎ZERO FINAL』を観て思ったことを書きます。(歌舞伎やジャニーズの知識に乏しい個人の見解です)
「終止符を打つ」のが目的だと感じた
『滝沢歌舞伎ZERO FINAL』は、確かな目的を持って実行されているな、と思いました。
その目的とは、滝沢歌舞伎そのものに『終止符を打つこと』。
たとえタッキーが事務所から去ろうとも、滝沢歌舞伎イズムや和のエンターテインメント、それらを継承し続ける目的や、彼へのリスペクトが舞台を続けることで表せるのであれば、滝沢歌舞伎は続けることもできた気がします。
しかしそれは叶わない。タッキーが演出から去り、その他様々な事情が重なり、ファイナルと冠せざるを得ない状態となったのかもしれません。
形を変えてでも、リスペクトを持ってしてでも継続は多分できなくて、「終わらせる」選択しか残らなかったとして。
それでも、尊敬するタッキーが遺したものを決して蔑ろにはできなかった。
苦労人ぞろいのSnowMan。
きっとこれまで自分たちにはどうしようもない事情で、いつのまにか終わってしまったものたちがたくさんあったと思います。
現在は各々別の仕事が増えたとしても、稽古の時間が少なくても、駆け抜ける一幕構成になっても、タッキー演出でなくても、とにかくきちんと終わらせたかったんじゃないかと。
遠く 離れていようとも
忘れないよ この思い
ずっと 僕らは 同じ道
行けることを 信じてる
With love
今回の滝沢歌舞伎ZEROファイナルで私が感じた、SnowManの一貫した意志は「幕を下ろす」ことでした。
つまり終わらせること、それ自体にこだわりがあったのかもしれません。
そして、「終わらせる」を見事に実現させたSnow Man。本当に強い人達だなと、周りに信頼されているなとも思いました。
今回の『滝沢歌舞伎ZERO FINAL』が、「幻の滝沢歌舞伎ZERO FINAL」にならなくてよかった。今のSnow Man、彼らによって終わらせることができて本当によかった。
Snow Manは、滝沢歌舞伎を受け継ぐべくして受け継いだ存在だと思いました。
9人がそれぞれ違う演目の衣装で並んだとき、確かにそこには「彼らが終止符を打つ意味」がありました。
人生、リアルタイムで観ることのできた滝沢歌舞伎が『滝沢歌舞伎 ZERO FINAL』で、私はよかったと思います。
18年という、人が一人成人しちゃうよ!というそこそこな年月をかけて守られ、受け継がれてきた滝沢歌舞伎。
たったの3回、生ではなくライブビューイングという形ではありました。
ですが、Snow Manの全員が華やかに、多くのものを背負い力強く舞う瞬間を少しでも観られたことに感謝しかないです。ありがとう。
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愛している。Love.
桜は散るのではなく、舞うのです。
僕たちSnow Manは、ここから羽ばたき、これからも舞い続けます。
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