お米の神様? 第2話 ふきのとう味噌と天婦羅と山菜
実家のある土地は、元々地元の大きな神社の森が切れたあたりの、何もない畑地だったと聞いている。
そこに米沢市、山形市と何人かの職人について勉強をし、昔の織物を学んだ父が家を建て、米沢から両親を呼び寄せたのだという。
そのころ米沢では効率の良い機械織りが主流になっていたから、昔のものを復興させたかった父はあえて知り合いのいない当地を選んだらしい。
昭和30年前後の話だ。
家には昔ながらの織機を何台も置いた織物工房がくっついており、周辺農家の奥さん達が通って働いていた。