お米の神様? 第23話 父とこたつみかん
我が家は基本的に一つのこたつ、テレビ、そしてそれらがある茶の間を中心に形成されていた。
昭和のホームドラマかドキュメンタリー番組を見る際必ず登場する、典型的な「お茶の間」である。
食事もお茶も、母の手仕事も、祖父の居場所もこの茶の間だった。
祖母が亡くなってから、もともと無口な祖父はより一層口数が減り工場二階で糸繰の仕事をしている以外の時間は、お茶の間のこたつの北側の席に陣取り、黙ってテレビを見ていた。
民放はけたたましいといって、NHKを主に見ていた。
急に老け