読書感想:異文化理解力② 指摘の仕方の違い
読書感想:異文化理解力①の続き。
今回は主に第②章についての感想。
第②章ではネガティブ・フィードバックの仕方の違いが言及されている。ネガティブな指摘を直接的につたえるか、間接的(遠回し)に伝えるかの違いがあるようだ。
直接的なのはやっぱりアメリカかなと思っていたが、彼らは案外間接的らしい。先に3つ良い所を褒めて、最後に本当に言いたいネガティブ・フィードバックを行うようだ(ここらへんはとても共感できる。というか、アメリカ人が著者のコミュニケーション術本読んでいると自然に感化される)。
直接的な国の代表はロシア、オランダ、イスラエルなどがあるらしい。直接的な国は本当に「あなたはこの仕事においてプロにふさわしくない」だとか、「あなたの作った資料は全く役に立たない」とはっきり言うらしい(正直、はっきり言えるのは羨ましい)。
直接的な国はそういう文化だから、いつもピリピリしているのかなというとそうでもないようだ。言われる方もはっきりと自分の悪いところを指摘してもらえるから、確かに気分は悪いけどそれは感謝すべきことだと考えるらしい(なんと大人な対応)。寧ろ遠回しなフィードバックは伝わらないし、場合によっては”嫌味”や”失礼”に感じるらしい。
では、間接的な国はどこかというとお察しのとおり、我らが日本である。この本では間接的な国の人にネガティブ・フィードバックをする場合、”悪いところを指摘してはならない”とすら書いている(何を言っているんだお前は)。
悪いところを指摘するのではなく、良いところを指摘することでそちらに誘導し”間接的”にネガティブ・フィードバックをしなさいとのことだ(なーるほど。)。
他にもいきなり結論を指摘するのではなく、外堀を埋めていくかのようにゆっくりと本題に入るよう気を使う必要があるとのこと。それこそ、何を言いたいのかを最後まで言わず、相手側に察してもらうように配慮する必要があるらしい。(あー頭おかしくなりそう。)。
ここまでで私がどちらのタイプなのか、きっと日本人の読者の皆さんならお察しいただけたであろう。そう”直接的”なタイプだ!
私もなんだかんだずっと日本で暮らしているので、直接的な表現だと失礼になるかなとか相手を傷つけてしまうかなとは考えていたが、でも言う事言わないと伝わらないでしょと考えていた(ここは前回のコンテクスト文化の違いも影響している)。
つくづく本当に日本人か疑わしい奴である(いっそ”外人”として扱ってもらえればどんなに楽かとすら思えてくる)。
とはいえ、間接的な国であっても直接的なフィードバックをする場合もあるらしい。それは、階層的な社会(④までいけば説明する)において上から下に対してフィードバックするときだ。この場合は、直接的な国もドン引きする直接的なフィードバックをするらしい(パワハラってやつですか?)。しかし、逆はほぼないようだ(不公平だ!)。
という感じで、フィードバックの仕方にも文化の違いが大きくでるようだ。違いが分かったは良いけど、どう対策すれば良いのかについての詳細は本書に譲るとして、私なりの解釈を説明する。
結局のところ、文化の違いが分かったところで自分に親しみのある文化のやり方以外には一朝一夕では適応できない。ましてや、下手に真似しようとしても上手くいかない。大切なことはネガティブなフィードバックをするときであっても相手を尊重する意思をもち、自分の行動を少しだけでいいので相手のやり方に合わせようとすることである。というふうに解釈した。
私が素でフィードバックすると大方の日本人相手には”失礼”にあたると思われるので、今後は少しやり方を変えてみようと思う。相手の文化を尊重する気持ちを忘れないようにしたい。
ということで早速、職場の上司にも私の文化を尊重してもらえるように、間接的にフィードバックをしていきたいと思う笑。