多様性とは不平等である

ダイバーシティ(多様性)。聞こえは良い。俺のような人間からすると多様性社会は悪くない社会だ。ただ、どう見ても多様性でない社会の方が得するであろう人も多様性と言い始めている気がする。自分が損してでも他人を救いたい。そういう思いでそうしているなら何も言わないが、単に騙されているだけなら何となくアンフェアな気がするので一言言ってやろうと思ったので書いてみる。

多様性とは異なる性質が入り乱れていることを意味すると考えている。異なるとは言いかえれば差があるということだ。俺の中では多様性を認めるということは差を認めるということと同義だ。差があれば平等ではなくなる。つまり不平等である。多様性=不平等。これが俺の中の図式だ。

多様性を主張することで得する人間とは不平等な社会の方が得する人間である。LGBTQや障害者を利用して多様性を認めようという動きがある。これは社会的弱者にゲタを履かせる行為だから不平等ではなく平等を実現する行為だとでも言いたげである。しかし俺には、これは人によって扱い方を変えて良いという理論を世間に浸透させるための方便に映る。

俺が悪知恵働かせるタイプだからこそこういう良い事風な主張には警戒心を抱く。本当の敵は敵の顔をしていない。寧ろ善人面している。善人面するには弱者を利用するのが楽だ。弱者を守る正義のヒーロー、弱者を思いやる心優しきナイト。そういうポジショニングで振る舞うと人はすぐに騙される。俺がリアルではそうしているから実感している。

多様性それ自体が悪いことではない。寧ろ多様性社会の方がメリットが大きいことだろう。問題は多様性であることが平等であるかのような幻想が蔓延していることである。LGBTQの人がノーマルの人からするとトンデモな要求をしてきたというニュースを見かける。それに対しておかしいのではという主張を見かけるが、それはおかしくはないのである。多様性社会とは不平等な社会のことなので、平等な扱いを受けようとすることが間違いである。平等なことが当たり前になり過ぎているので違和感を覚えるのである。

多様性=不平等であると認識しない限り多様性の問題は解決しないと考えている。多様性であり平等な社会は矛盾した性質を合わせもつ社会のことなので実現不可能である。いや実は方法がある。それは皆が同質化することだ。性質が一つしかなくてもそれが全ての性質なら多様性であろう。そして皆が同質であればそれは平等だ。いやその理屈なら自分以外を皆殺しにしてしまった方が実現可能性があるかもしれない。どちらにせよそれは死んだも同然の社会だ。

冒頭で俺のような人間にとっては多様性社会は悪くない社会といった。それは俺が外れ値になることを厭わないからだ。多くの人は周りと同質であることを求め、外れ値になることに恐怖する。しかし、俺はそのネジが外れているので自分が得出来ると判断すれば平気でその境界を飛び超える。多様性社会を皆が認めればそれを利用して自分だけ外れ値になり特別待遇を受けようとするだろう。多様性社会を叫ぶ連中の中には純粋に差別に苦しむ人を救おうとしている人もいるだろうが実体としては俺のような邪な奴がそういう初心な奴を唆しているような気がしてならない。自分の要求は、けして自分の口からは言わない。他人に言わせるのである。その他人が社会的弱者であれば同情を得られやすいのでより都合が良い。

ということで平等な社会を目指すために多様性社会を目指そうとしているのであれば、それは俺のような悪人に騙されているだけだと思うので考えを改めだ方が良い。多様性社会を目指すなら不平等な社会とすることで自分が得しようという目的か自分が損してでも不平等で多様な社会を目指そうとして欲しい。

俺個人としては、「不平等は悪ではない。平等こそが悪である。」と思っているので多様性社会には賛成だ。それは俺が得出来るからというのもあるが、平等な社会は長期的には不安定な社会であり、最終的には滅ぶ社会だと思うからである(この理屈はまた機会があれば書くかもしれない)。

自分が良いことをしていると感じる時は、騙されているか、悪をなしている時だと俺は思うようにしている。特に騙される方は注意したい。大体良いことをしている気になるときは自己犠牲を伴うからだ。自己犠牲させられた上に悪に加担させられるのは最悪だ。どうせ悪をなすなら自らの意思で悪をなす。悪をなそうとして騙されるならそれは欲をかきすぎたと思える。

ホワイト社会とは恐ろしい社会である。これまでも人類はより強いものが弱いものに嫌なもの、汚いものを押し付けてきたわけだが、ついに悪という概念さえも弱者に押し付ける世界となった(厳密には国家の単位や特権階級は昔より行ってきたことだが、平民でかつ個人レベルにまで浸透してきた。)。ホワイト社会とは誰も自分のことを善人善人とは思えない社会だと思う今日この頃である。

続く。


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