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マイナー飯に惹かれる理由

北陸にしてはこの冬珍しく晴れ間が多く、嬉しい限り。
いい天気だったので久々にスキー場に向かった。

20代の頃のように1日中滑ってはいられない。
1、2本滑ってはすぐに休憩するのがお約束だ。
(むしろ休憩の方が多い)

ゲレンデ飯で注文するのは、
定番のカレーライスとか、うどんとか、カツ丼ではない。
券売機の隅っこの方で目立たないやつをポチッとするのが好きだ。

この日頼んだのは、カレーラーメン。
ゲレンデ飯の王道であるカレーライスとラーメンを融合させた
摩訶不思議なメニューだ。

料理が出来上がるのを待つ間、このメニューが生まれた理由を勝手に想像してみる。

「人気メニューを組み合わせればもっと注文が増えるんじゃないか」と考えたのだろうか。それとも、「カレーうどんがあるならカレーラーメンもありでしょ!」なんてリクエストがあったのかもしれない。

…そんなことを考えているうちに、待ち時間を知らせるアラームがピピピと鳴った。慌ててカウンターに行き、注文したカレーラーメンを受け取る。

目の前に現れたのは、縮れのない中細麺に、さらっとしたカレー風味のスープ。トッピングの2枚のかまぼこが妙に和洋折衷な雰囲気を漂わせている。

一口食べても、なぜこのメニューが生まれたのかは結局わからない。
「カレーうどんで十分じゃないか」という声が喉元まで出る。
周りを見ると、他にも何人かがカレーラーメンを注文しているが、みんな少し困惑したような、それでも何か言いたげな表情で食べているのが印象的だった。

不動の定番メニューにはない、不安定さ。次に訪れたとき、このメニューが果たしてまだあるのかどうかわからない危うさ。そして何より、「これを出してみよう!」と決断した誰かの挑戦心。
そんな気概に触れるからこそ、私はマイナー飯に心惹かれるのだ。

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